2007 Fiscal Year Annual Research Report
アリルシアナートの転位反応を活用した生体機能分子の実用的合成
Project/Area Number |
18032055
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
市川 善康 Kochi University, 理学部, 教授 (60193439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 啓二 高知大学, 理学部, 講師 (50399747)
小槻 日吉三 高知大学, 理学部, 教授 (80093954)
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Keywords | 天然物化学 / 生体機能分子 / 海洋天然物 / 有機化学 / シグマトロピー反応 / ピロール |
Research Abstract |
アリルシアナートの転位反応を用いた生体機能分子の効率的な合成法の確立を目的として,海洋天然物であり,高度に縮環した4環性ピロール骨格を有するアゲラスタチンAを標的化合物として合成研究を行った。 アゲラスタチンAの合成計画に関しては,光学活性な1,2-ジアミノ構造をもつシクロペンテン中間体をもちいる合成ルートを立案した。アラビトールを出発原料として,アリルシアナートの転位反応を用いてアリルアミン骨格を構築した。そして,ルテニウム触媒を用いた閉環メタセシス(RCM)反応を用いて,シクロペンテン環の構築に成功した。さらに2回目の転位反応によりアリルアミン合成を行った。これにより,ジアミノ骨格を有するシクロペンテン中間体の合成に成功した。次に,ピロールの分子内マイケル付加反応を用いたB環の構築を検討した。この反応において,ピロールの酸性度を高めるために臭素をピロール骨格に導入した。またIBX酸化によって生成する中間体のシクロペンテノンは不安定であり取り扱いが難しい。そこで,単離することなくワンポットでアミンを加えて分子内マイケル付加反応を行った。これにより高収率で3環性化合物を得ることに成功した。さいごにCbz基とピロール上の臭素置換基を加水素分解で除去する。生成するアミノケトンは2量化を起こしやすいので,単離することなくメチルイソシアナートを加えてウレアとして4環性化合物を合成した。さらにFeldmanの手法を用いて,ピロールに臭素を導入してアゲラスタチンAの全合成を完結した。
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Research Products
(9 results)