2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規血管新生阻害剤ブリヨアントラチオフェンの合成と高機能化
Project/Area Number |
18032058
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 智文 九州大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (40182050)
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Keywords | 血管新生阻害剤 / ビリヨアントラチオフェン / コケムシ / 高機能化 |
Research Abstract |
Bryoanthrathiophene(1:1-methylanthrathiophene)は触手動物チゴケムシ(Watersipora subtorquata)より、ウシ大動脈内皮細胞(BAECs)の増殖阻害活性を指標に単離、構造決定した新しいチオアントラキノン誘導体であり、塩基性繊維芽増殖因子(bFGF)で誘導したBAECsの増殖を強力に抑制する(IC_<50>=5nM)。更に、マトリゲルを用いた管腔形成を10ng/mLの濃度で阻害する^<1)>。しかしながら、1自体、原料動物であるチゴケムシから極めて微量しか得られず(湿重量1kgのコケムシから100μg程度)、また、原料動物も希少であることから、作用メカニズムの解明、高機能化には1の全合成による原料供給が必要不可欠と考え、各種誘導体調製による高機能化を計画した。合成ルートはKelly等の1-methoxyanthrathiophene(2)の合成ルートを参考に(Organic Lett.2,2351,2000)、市販の1,8-dihydroxyanthraquinone(3)を出発原料に、ニトロ化により1-NO_2-DHAQ(4)、チオグリコール酸メチルの求核付加によりチオエーテル体(5)を得、更に、塩基性触媒によるKnoevenagel反応により全収率10%で2を合成した。現在、種々還元反応により2から1への化学返還を行っている。
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