2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗がん剤開発を目指した生体機能分子の実用的合成
Project/Area Number |
18032065
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 正 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (50382669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 一弘 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (10382673)
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Keywords | 分子標的抗がん剤 / 化学合成 / TAN-1813 / PFTase阻害剤 / スピルコスタチンA / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / テロメスタチン / テロメラーゼ阻害剤 |
Research Abstract |
本特定領域研究では,『新しい分子標的抗がん剤』として大きな期待が寄せられている、微生物由来であるスピルコスタチンA(ヒストン脱アセチル化酵素阻害活性)、真菌類由来であるTAN-1813(p21^<ras>タンパクファルネシルトランスフェラーゼ阻害活性)、およびテロメスタチン(テロメラーゼ阻害活性)を取り上げ,大量供給可能な合成ルートの開発,新規抗がん剤候補化合物の探索,およびその探索を可能にする革新的の合成手法を開発することを目的として研究を行った。平成18年度は以下の研究実績が得られた。 (1)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるスピルコスタチンAに関しては、光学活性なセコ酸から効率的な大環状ラクトン環構築法の検討を行い、その全合成を達成した。現在、合成したサンプルの生物活性試験を行っている。さらに、確立した合成経路を基軸としたスピルコスタチンBの全合成を行い、その絶対立体構造を決定する予定である。 (2)TAN-1813に関しては、分子内ディールスーアルダー反応を機軸とした合成により、母核であるトランスーデカリン環重要中間体の構築に成功した。平成19年度中には、その全合成を完結させる予定である。 (3)テロメラーゼ阻害剤であるテロメスタチンに関しては,前例のないオキサゾールのホウ素試薬の開発に初めて成功した。さらに、鈴木一宮浦クロスカップリングを用いた直接的なオキサゾールC2-C4'結合形成反応も見いだすことに成功した。本合成方法論は天然物であるテロメスタチンのみならず、ポリオキサゾールの一般的な合成法になりうるものであり、新規テロメラーゼ阻害剤の開発に繋がるものと期待される。
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Research Products
(7 results)