2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖を有する生体機能分子のための新合成方法論と実践的合成法の開発
Project/Area Number |
18032068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
戸嶋 一敦 Keio University, 理工学部, 教授 (60217502)
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Keywords | 糖 / グリコシル化反応 / 抗生物質 / 配糖体 / バイオミメティック / 不飽和糖 / デオキシ糖 / イオン液体 |
Research Abstract |
糖を有する生体機能分子の合成においては、高効率なグリコシル化反応が、その鍵反応として重要である。本研究の昨年度までに、生理活性上重要なある種の抗生物質に多く見られる2,3ジデオキシ糖及び2,3-不飽和糖のための生体反応模倣型(バイオミメティツク)反応による新規グリコシル化反応の開発について検討し、2,3-不飽和型グリゴシルドナーが、従来の2,3-飽和型グリコシルドナーと比較し、より効果的に活性化されることを明らかにした。また、2,3-不飽和型グリコシルドナーと2,3-飽和型グリコシルドナーの化学選択的グリコシル化反応が可能であること、また、2,3-不飽和型グリコシルドナーと反応性の低い3級アルコールとのグリコシル化反応が、温和な条件下、効果的に進行することを見出した。そこで、本年度の研究においては、本手法を、糖を有する抗生物質ビネオマイシンB_2の合成に応用した。その結果、ビネオマイシンB_2が有する2,3-不飽和糖と2,3-ジデオキシ糖からなる2糖鎖部分(アクロシルロジノース部分)が、相当する2,3-不飽和型グリコシルドナーと2,3-飽和型グリコシルドナーとの化学選択的グリコシル化反応により効果的に構築出来ることを見出した。さらに、ビネオマイシンB_2が有する、カルボニル基のβ-位に位置し、反応性が低く、β-脱離を起こしやすい3級アルコールへの2,3-ジデオキシ糖の導入が、相当する2,3-不飽和型グリコシルドナーの酸触媒を含有するイオン液体を反応媒体として用いた減圧下でのグリコシル化反応により、効果的に達成ざれることを見出した。
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