2007 Fiscal Year Annual Research Report
環状リゾホスファチジン酸に基づく機能性脂質の創製と機能解析
Project/Area Number |
18032076
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小林 進 Tokyo University of Science, 薬学部, 教授 (70101102)
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Keywords | ナノバイオ / リン脂質 / 生体分子 / ビオチン / 有機化学 / 分子標的 |
Research Abstract |
これまでに環状リゾホスファチジン酸(cPA)の3位酸素原子を炭素原子に置き換えた3-O-carba-cPAがcPAよりもはるかに強く癌細胞の浸潤を抑制することを見出している。そこで、2-O-carba-cPAの生物活性に興味をもった。光学活性体の合成に先立ち、まず初めに、ラセミ体での活性評価を行った。その結果、アシル側鎖がパルミトレイン酸(16:1)およびオレイン酸(18:1)の場合に1.0μMにおいて癌細胞の浸潤を10%以下に抑制することを見出した。この結果を受け、光学活性体の合成について検討した。プロキラルな2-hydroxymethyl-5-methyl-3-hexenolのリパーゼによる不斉アシル化によりキラルシントンを得ることができ、以後はラセミ体合成と同様のルートによって光学活性体の合成を行うことができた。現在、両エナンチオマーの生物活性について評価を始めた段階である。 一方、cPAとLPAは相反する生理作用を示す一方で、共通の受容体を認識することも明らかとなっている。これらの違いを明らかにするためcPAに基づく分子プローブの合成を試みた。側鎖末端にアジドを導入したcPAと、リンカーを介して末端にアセチレンを有するビオチンを光反応に賦して環化付加反応を利用することによりビオチン化プローブの合成を行うことができた。今後はファージディスプレー法などによって受容体を特定する計画である。
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[Journal Article] Chemical properties of fatty acid derivatives as inhibitors of DNA polymerases2007
Author(s)
Ryoichi Nakamura, Ryo Takeuchi, Kouji Kuramochi, Yoshiyuki Mizushina, Chisato Ishimaru, Yoichi Takakusagi, Masaharu Takemura, Susumu Kobayashi, Hiromi Yoshida, Fumio Sugawara, Kengo Sakaguchi
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Journal Title
Organic & Biomolecular Chemistry 5
Pages: 3912-3921
Peer Reviewed