2006 Fiscal Year Annual Research Report
Pd触媒を高度に活用した抗がん活性海洋産天然化合物の全合成研究
Project/Area Number |
18032080
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上西 潤一 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50167285)
|
Keywords | 海洋産天然化合物 / 抗がん活性物質 / (-)-Dactylolide / 三置換ジエンイン / クロスカップリング / オキシパラデーション / プロトデシリル化反応 / アリルシラン |
Research Abstract |
本研究の目的は、癌細胞に対してマイクロモル以下の濃度で顕著な細胞毒性を有するマクロライド化合物(-)-dactylolideおよび(-)-zampamolideの全合成である。その方法としてPdの反応を駆使した置換ジヒドロおよびテトラヒドロピラン環の新しくかつ汎用性の高い構築法を開拓するとともに、申請者が従来から行なっている置換ポリエンの立体制御法をさらに発展させて、Z型三置換アルケンの合成法を特に開発対象とすることであり、以下の成果を得た。 (1)プロモジエンインに対して、Kumada-Tamao-Corriu反応を行うと完全に立体化学が反転した三置換ジエンインが得られた。そして、この合成法を用いて(-)-dactylolideのC1-C8部分をジエンの立体化学を制御して合成した。 (2)1,1-Dibromo-1alkeneに対してKumada-Tamao-Corriu反応により導いたビスアリルシランに、PPTSを作用させると選択的なモノプロトデシリル化が起こることを見出し、エキソメチレン型アリルシランを得ることが出来た。そして、その一般性を明らかにし報告した。そして、この方法を用いて(-)-dactylolideのC11-C14部分の合成を行うことが出来た。 (3)(-)-DactylolideのC15-C20部分を合成し、C11-C14部分のアリルシランとカップリングしC11-C20部分の合成を完成した。 (4)PdCl_2触媒を用いる立体特異的分子内オキシパラデーション反応を展開し、2,2,6-トリ置換テトラヒドロピラン環合成を行うことが出来た。即ち、光学活性三置換アリルアルコールを用いて光学活性四置換炭素およびスピロ炭素の構築に成功した。
|