2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機物と金属酸化物クラスターから構築されたサブナノ細孔空間の認識・触媒機能
Project/Area Number |
18033001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小西 克明 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 助教授 (80234798)
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Keywords | ナノ材料 / 分子認識 / 結晶材料 / 分離材料 |
Research Abstract |
本研究では、独特な酸触媒、酸化還元触媒活性をもつヘテロポリ酸と有機ホストの一つであるカリックスアレーンを、分子間力を用いて複合化して得られる多孔性(ポーラス)結晶を用いて、新規な機能性、触媒を創出することを目的としている。昨年度までの研究で、ジエチルエステル型のカリックスアレーンナトリウム包接錯体(C2-Na)と[PM_<12>O_<40>]^<3->から構成されるイオン性複合結晶(C2-PW)中に形成されるマイクロ細孔が、アルコール、ケトン、エステル、ニトリルなどの極性有機ゲストを効率的に取り込むことを見いだした。本年度の研究においては、無極性の炭化水素の吸着について重点的に調査した。その結果、ヘプタン等直鎖炭化水素は効率的に取り込まれるに対して、同じ炭素数の2-メチルヘキサン、2,2-ジメチルペンタンは同条件下でほとんど吸着されず、立体的に制限された細孔環境が直鎖構造と枝分かれ構造を高度に識別できることが明らかとなった。また、C2のエチルエステル置換基を→プロプル→ブチルと長くすると、ヘプタンの吸着活性は順に低下したが、イソプロピル基で置換したIC3-PWはヘプタンに対してC2-PWと同程度の吸着活性を示した。さらに、2-ヘプテンなどの内部オレフィンの吸着も検討したところ、C2-PWのみならずC4-PWもある程度の活性を示し、ホストとのπ-πあるいはCH-π相互作用の関与が示唆された。一方、これらのポーラス結晶は6員環、5員環環状炭化水素の認識においても威力を発揮した。この際、ゲスト中の二重結合の数が減少するにつれ吸着活性は低下し、立体的要素だけでなくゲストのπ機能団と細孔内壁との引力的相互作用が活性に関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)