2006 Fiscal Year Annual Research Report
感熱応答性高分子を用いる温度制御可能な電子移動空間の構築
Project/Area Number |
18033015
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
今林 慎一郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (50251757)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 正義 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60158657)
|
Keywords | 感熱応答性高分子 / ブロック共重合体 / フェノチアジン / ターピリジン / 相転移挙動 / レドックス応答 |
Research Abstract |
Terpyridine(TPy)錯体あるいはフェノチアジン(PT)基を持つ末端SH化感熱応答性高分子poly(ethyl glycidyl ether)-block-poly(ethylene oxide) (PEGE-b-PEO-SH)を修飾した金ナノ粒子(AuNPs)を調製し、水中における分散挙動の温度依存性を観測した。 1)Ru(TPy)_2錯体を鎖中に、感熱応答性を有するPEGEブロックとは反対の末端にSH基を持つ感熱応答性ブロックコポリマーをクエン酸保護されたAuNP(粒径:16nm)表面に置換的に修飾した。高分子修飾金ナノ粒子の水溶液は10℃では透明な赤色を呈するが、25℃に昇温すると濁り始め、時間が経つと凝集・沈殿した。この変化は温度を変えることで可逆に起きた。PEGEブロックのコイル-グロビュール転移温度は20℃前後であり、凝集はPEGEブロックの会合によって起こると考えている。 2)PT基をPEGEブロック側末端に、SH基をPEOブロック側末端に持つPT-PEGE-b-PEO-SHとNaAuCl_4を共溶解させたMeOH/CH_3COOH混合溶液にNaBH_4を撹拌しながら加えることで、高分子修飾AuNPsを調製した。コポリマーを単独で修飾したAuNPsは水に分散しないが、末端SH化PEOと混合修飾することによって水に安定に分散するAuNPsを得た。混合修飾したAuNPsの水溶液(電気化学測定のための支持電解質を含む)は、昇温に伴ってプラズモン吸収が520nmからレッドシフトすると共に長波長域の吸収が増加し、AuNPsの凝集を示唆した。実際に水溶液は5℃では透明なワイン色であるが、15℃以上では濁り、高濃度の場合は経時的に凝集・沈殿した。5℃では0.6Vvs.Ag|AgCl付近に観測されるAuNP表面のPT基のレドックス応答は凝集の進行と共に消失した。これら分散およびレドックス挙動の温度変化は可逆的に起きた。
|
Research Products
(1 results)