2006 Fiscal Year Annual Research Report
光応答空間のファインチューニングによる単結晶フォトクロミック反応の制御
Project/Area Number |
18033017
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中井 英隆 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (70377399)
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Keywords | フォトクロミズム / 結晶相反応 / 光応答空間 / 反応制御 / 有機金属錯体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、単結晶フォトクロミックジチオナイト錯体[(Cp'Rh)_2(μ-CH_2)_2(μ-O_2SSO_2)](Cp'=η^5-C_5Me_4R)の光応答ユニット(ジチオナイト基:μ-O_2SSO_2)をとりまく「光応答空間」のチューニングによる結晶相反応の制御である。具体的には、反応空間を形成する配位子の化学修飾によって、結晶の安定性、反応速度、選択性を制御することにより次世代記録媒体開発のための基礎化学の確立を目指している。単結晶フォトクロミック反応を制御するためには、結晶中に形成される「光応答空間」の性質を明らかにし、その空間の性質がどのようにフォトクロミック反応に反映されるかを見極めることが必要である。そこで本年度は、研究実施計画(平成18年度)に従い、環状配位子であり、結晶中でも回転運動するCp栖己位子を有するジチオナイト錯体の結晶中での「動的光応答空間(Cp^*配位子で構成される)」の性質を明らかにするために、Cp^*配位子の化学修飾を検討した。その結果、Cp^*配位子のメチル基の一つを水素原子、エチル基、フェニル基、ベンジル基に置き換えた配位子による新規ジチオナイト錯体の合成およびその単結晶の作成に成功した。現在、これら錯体の単結晶フォトクロミズムについて、「光応答空間の動的挙動、体積、形状」と「結晶の安定性、反応の速度および選択性」との関係を系統的に調べているところである。本年度得られた成果は、平成18年12月(福岡)で行われた2nd ISCCS国際会議での招待講演含めて、国内外の学会、討論会で発表した(国際会議5件、国内6件)。また、得られた研究成果を3報の学術論文として発表した。さらに、本研究遂行に伴い派生した研究成果を用いて1件の特許出願を行った(次ページ参照)。
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Research Products
(4 results)