2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイズ選択的キラル自己識別会合によるポルフィリンリングの構築
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18033028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大須賀 篤弘 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (80127886)
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Keywords | ポルフィリン / 自己識別 / 超分子化学 / ポルフィリンボックス / キラル選択 / 結晶構造解析 / ポルフィリン多量体 / 励起エネルギー移動 |
Research Abstract |
我々は、銀塩酸化によるポルフィリン多量体合成法を確立して以来、これまでに様々なポルフィリン多量体を設計・合成・評価してきた。最近我々は、側鎖に配位性のピリジンを持つメゾ-メゾ結合ポルフィリン亜鉛錯体からポルフィリンボックスを構築することに成功し、自己会合が自己識別プロセスで進行することを明らかにした。長さの異なるアーム部分をもっポルフィリン2量体を組み合わせて内部に十分な大きさの空間を持つ超分子ポルフィリンボックスを構築することに成功した。また、側鎖にシンコメロンイミド(cinchomeronimide,3,4-pyridine dicarboximide)を持つメゾ-メゾ結合ポルフィリン亜鉛2量体は分子の対称性が低く、ピリジンの窒素の位置によりout-out、in-out、in-inの異性体があり、しかもそれぞれが光学活性でラセミ体であるため、合計6種類の異なる化合物の混合物である。これらはクロロホルムや四塩化炭素のような非極性溶媒中では、それぞれがそれぞれを自己識別して自己会合することがわかった。out-out体からは環状5量体(ポルフィリン10量体)、in-out体からは環状4量体(ポルフィリン8量体)、in-in体からは環状3量体(ポルフィリン6量体)が、それぞれのエナンチオマーだけが集まって会合し、会合定数が大きいためにあたかも共有結合で繋がった化合物のようにGPCクロマトグラフィーで単離できた。また、得られた会合体は、光学活性なHPLCカラム上で光学分割できることがわかった。すべての構造は1H NMRとGPCの保持時間から同定しているが、特にポルフィリン10量体とポルフィリン6量体についてはX線結晶構造解析によってその構造を明らかにした。非常に緻密な自己選抜型会合(Self-sorting aggregation)といえる。次に、meta-pyridyl側鎖を持つメゾ-メゾ結合ポルフィリン2量体からも、3種類の異なる会合体が自己識別会合により生成するが、高温では、メゾ置換基の回転により、会合体間の相互変換が進行することがわかった。詳細に検討したところ、10量体程度の大きな会合体が高温で分裂し、2量体へ一方向異性化で変化することがわかった。これは、通常は制御できないatrop isomerizationを会合過程を経ることで制御した稀なケースである。
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Research Products
(3 results)