2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリペプチドとヒドリドクラスターがつくる不斉反応場における光学活性アミノ酸合成
Project/Area Number |
18033041
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小江 誠司 九州大学, 未来化学創造センター, 教授 (60290904)
|
Keywords | 触媒・化学プロセス / 合成化学 / 環境対応 / 超分子化学 / 生体分子 |
Research Abstract |
自然界で行われているグルタミン酸合成に非常に似た「アンモニアをアミノ源とする水中でのケト酸の還元的アミノ化反応による触媒的なアミノ酸合成法の開発」を我々はこれまで行ってきた。自然界では水素源としてNADHを用いるが、我々は水溶性遷移金属ヒドリドクラスターを水素源として用いた。しかし、これまでの研究では、まだ光学活性なアミノ酸の合成には成功していない。今回、これまでの研究で培ってきた水溶性遷移金属ヒドリド触媒合成のノウハウを基に、ポリペプチドとヒドリドクラスターがつくる木斉反応場を利用した光学活性アミノ酸合成法の開発を試みた。水溶性ヒドリドクラスターは水溶性アクア錯体から合成した。ターピリジンの4位に水酸基を導入した配位子terpy-OHをMCl_3・3H_2O(M=Rh, Ir)とエタノール中で還流し、水に可溶なトリクロロ錯体[MCl_3(terpy-OH)](1)を得た。錯体1の構造はX線解析、MR、エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)により決定した。錯体1は6配位八面体型構造を持つ。水酸基の代わりにトリエチレングリコールを導入した配位子(terpy-3EG)を用いエタノール中で環流し、新規水溶性マンタ型錯体[MCl_3(terpy-3EG)](2)を合成した。錯体2の構造はX線解析、NMR、ESI-MSにより決定した。また、ターピリジンの代わりに、ビスピラゾリルメタンおよびトリスピラゾリルメタンを用いた水溶性ロジウム・イリジウム錯体も合成も行い、その構造はX線解析、NMR、ESI-MSにより決定した。
|