2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリペプチドとヒドリドクラスターがつくる不斉反応場における光学活性アミノ酸合成
Project/Area Number |
18033041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小江 誠司 Kyushu University, 未来化学創造センター, 教授 (60290904)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 合成化学 / 環境対応 / 超分子化学 / 生体分子 |
Research Abstract |
アミノ酸合成は化学・生化学の分野における重要な研究分野の一つである。本研究では、ポリペプチドとヒドリドクラスターがつくる不斉反応場を利用した光学活性アミノ酸合成法の開発を行った。水溶性ヒドリドクラスターの合成シントンとなる新規水溶性ヒドリド錯体、アクア錯体、塩素錯体の合成を行った。自然界では水素源としてNADHを用いるが、我々は水溶性遷移金属ヒドリドクラスターを水素源として用いた。しかし、これまでの研究では、まだ光学活性なアミノ酸の合成には成功していない。これまでの研究で培ってきた水溶性遷移金属ヒドリド触媒合成のノウハウを基に、ポリペプチドとヒドリドクラスターがつくる不斉反応場を利用した光学活性アミノ酸合成法の開発を試みた。水溶性ヒドリドクラスターは水溶性アクア錯体から合成した。ターピリジンの4位に水酸基を導入した配位子terpy-OHをMCl_3・3H_20(M=Rh,Ir)とエタノール中で還流し、水に可溶なトリクロロ錯体[MCl_3(terpy-OH)](1)を得た。錯体1の構造はX線解析、NMR、エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)により決定した。錯体1は6配位八1面体型構造を持つ。水酸基の代わりにトリエチレングリコールを導入した配位子(terpy-3EG)を用いエタノール中で環流し、新規水溶性マンタ型錯体[MCl_3(terpy-3EG)](2)を合成した。錯体2の構造はX線解析、NMR、ESI-MSにより決定した。また、ターピリジンの代わりに、ビスピラゾリルメタンおよびトリスピラゾリルメタンを用いた水溶性ロジウム・イリジウム錯体も合成も行い、その構造はX線解析、NMR、ESI-MSにより決定した。
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