2006 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質単結晶を用いる分子凝集構造厳密観測手法の開拓
Project/Area Number |
18033043
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高見澤 聡 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (90336587)
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Keywords | 結晶構造 / 金属錯体 / 多孔質個体 / ガス吸着 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究では、これまでに申請者が独自に見いだしている安息香酸-ピラジン金属錯体集積体である単結晶多孔質固体群を用いる。ゲスト分子種の選択と温度・圧力などの熱力学的な因子の組み合わせによって、種々のゲスト分子凝集状態をガス吸着現象の媒介により生成させ、結晶内微小空間中(配位空間中)で生じる特異的分子凝集構造について単結晶X線構造解析による解明を目指している。平成18年度は分子凝集構造の積極的な多様化を考慮したゲスト分子選択を行い、分子サイズ。対称性・極性を系統的に変化させて微小空間中のホスト-ゲストおよびゲスト-ゲスト相互作用様式と分子凝集様式との相関を系統的に明らかにする手法の確立を行い、固体内部配位空間の特異性を構造化学的に明らかにする実験を行った。 これまでに明らかにされていない希ガス。NO・NO_2/SO_2の無機ガスおよび一級アルキルアミンの有機蒸気に対する構造決定手法の確立に成功した。アルコールをゲストとして用いた場合、鎖長依存性が明らかになり、細孔中でのゲスト会合構造に変化が見られた。また、不活性の原子気体である希ガスについても構造決定に成功した。さらに、新しい試みとして反応性の高い腐食性ガスとして知られるNOxおよびSOxについても吸着状態の決定に成功し、NO, NO_2,SO_2それぞれに特徴的な会合構造の決定に成功した。非常に狭い結晶内空間に置いて、これらの吸着ゲストの分子構造はよく知られているバルクの構造と同じであるが、凝集構造および会合構造は大きく異なっていることが明らかになった。
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