2007 Fiscal Year Annual Research Report
アポ型チロシナーゼを配位空間として用いた新規金属酵素の創成
Project/Area Number |
18033045
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊東 忍 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (30184659)
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Keywords | 二核金属酵素 / 銅タンパク質 / チロシナーゼ / 酸素化反応 / ホロ酵素 / 芳香族求電子置換反応機構 / ヘモシアニン / 柔軟配位空間 |
Research Abstract |
本研究では,最近コウジ菌から発見されたアポ型チロシナーゼの活性中心を柔軟配位空間として利用した新規金属酵素の創成について検討を行った。本年度は前年度に精製して得られたアポ型チロシナーゼを用いて銅(II)イオンによる再構成チロシナーゼの調製を行い,原子吸光スペクトルなどを用いて,二個の銅イオンが活性中心に導入されているかどうかについて検討した。次に得られたホロ型チロシナーゼの酸化機能(特にフェノール類の酸素化反応)について速度論的に検討し,芳香族求電子置換反応機能で進行していることを明らかにすると共に,他のチロシナーゼの場合と比較検討した。一方,アポ型チロシナーゼを加水分解酵素あるいは酸(pH〜3)で前処理することにより,酵素の触媒活性が飛躍的に向上することを見出し,それらの活性化メカニズムについて詳細に検討した。さらに,銅(II)イオン以外の遷移金属イオン(鉄(II),ニッケル(II),コバルト(II)など)によるアポ型チロシナーゼの再構成についても同様に検討し,チロシナーゼ活性について系統的に検討した。しかし,現時点では銅(II)イオンで再構成したアポ型チロシナーゼの活性を上回るものは得られていない。 同様の二核銅活性中心を有する酸素運搬タンパク質ヘモシアニンの機能改変についても合わせて検討を行い,尿素や加水分解酵素で前処理することによりチロシナーゼ活性が発現することを見出し,その酸化反応機構を明らかにした。
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