2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18033050
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大月 穣 Nihon University, 理工学部, 准教授 (80233188)
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Keywords | 表面 / 超分子化学 / 操作プローブ顕微鏡 / ポルフィリン / 金属錯体 / グラファイト / 単分子 / 固液界面 |
Research Abstract |
本研究は,走査トンネル顕微鏡(STM)で分子ひとつひとつが判別できるレベルで構造が規定された,配位結合に基づく分子組織体および配位空間を固体表面に自在につくり出すことができる手法を開拓し,さらに,表面分子組織体および配位空間の外部刺激による可逆的な制御を実現することを目的とした.基板としては高配向性熱分解グラファイト(HOPG)を用い,フェニルオクタンを溶媒とした固液界面に形成される分子組織体,あるいはトルエンなどの溶液を滴下して,溶媒が揮発した後に基板表面に形成される分子組織体の構造をSTMにより明らかにした.様々なポルフィリン系化合物,八面体6配位金属錯体,その他の有機化合物について分子設計と合成を行い,主にSTMを用いて表面組織構造の解明を行った.具体的な成果を以下に示す. 1.Ptが作る180度の角度を利用したポルフィリンの直線状二量体について,HOPG基板状で形成される規則的な配列を明らかにした.2.長鎖アルキル基の部分にジアセチレン基を導入したポルフィリン誘導体では,アルキル鎖の長さに依存して全く新しい分子集合構造が得られた.3.亜鉛ポルフィリンの軸配位子が,置換活性にもかかわらず,固液界面においてSTMによって観察できることを見いだした.4.アルキル鎖を4本もつポルフィリン誘導体を一方の環として含むセリウムダブルデッカーポルフィリンが,基板上に整然と配列することがSTM観察によって明らかとなった.5.八面体錯体であるイリジウムトリスフェニルピリジンにアルキル鎖を導入することによって,この錯体を基板表面に規則的に配列させ,その構造を明らかにすることに成功した.
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Research Products
(22 results)