2006 Fiscal Year Annual Research Report
軸不斉と有機触媒で修飾されたナノ細孔の構築と不斉認識・不斉反応
Project/Area Number |
18033052
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
森 和亮 神奈川大学, 理学部, 教授 (60029709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 伸浩 神奈川大学, 教授 (30214852)
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Keywords | 結晶工学 / 自己組織化 / 超格子 / 分子認識 / 不斉反応 |
Research Abstract |
我々は様々なジカルボン酸が種々の遷移金属イオンと塩を形成する際、二核錯体状態を取ることで無限格子状の結晶構造を作り、また、適切な軸配位子を利用することで、その格子を三次元的に拡張できることを明らかにしてきた。さらに、このような多孔性錯体が、天然ガスの貯蔵、高分子包接化合物、高機能触媒など、多彩な機能を有するナノ細孔物質となることを明らかにしてきた。本研究では、光学活性ジカルボン酸を用いた光学活性ナノ細孔錯体の合成とその応用について検討した。光学活性ジカルボン酸として樟脳酸を用いた。樟脳酸銅(II)の結晶構造解析を行なったところ、ナノ細孔は認められなかった。しかし、軸配位子として、DABCO、ピラジン、および、4,4'-ビピリジンを用いたところ、元素分析から対応する樟脳酸銅(II)錯体が得られ、X線結晶構造解析から、錯体はナノ細孔を有していることが明らかになった。錯体の磁化率測定と熱分析からも錯体が二核構造を有していることが確認された。いずれのナノ細孔も極めて大きな比表面積を有し、低温で気体を吸蔵することを明らかにした。得られたナノ細孔で2-ブタノールなどの不斉点を有する化合物の光学分割を検討したところ、わずかに不斉認識能が見られた。より高度の不斉認識能を実現するために、軸不斉を有するジカルボン酸および軸配位子を合成して利用することを検討した。軸不斉を有する基本構造として2,2'-ビナフトールに着目し、(S)-2,2'-ビナフトールから4段階で6,6'-位に塩素を、3,3'-位に臭素を置換したビナフトールを合成した。従来はここから多段階で期待されるジカルボン酸およびビピリジンへと導いていたが、直接誘導することを検討し、ハロゲン-金属交換した後二酸化炭素で処理することによってジカルボン酸を、鈴木カップリング反応を利用することによってビピリジンを、それぞれ合成した。
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[Journal Article] Synthesis structures and characterization of the dinuclear nickel(II) complexes containing N,N,N',N'- tetrakis[(1-ethyl-2-benzimidazolyl)methyl]-2-hyd roxy-1,3-diaminopropane and an azide ion2006
Author(s)
Tomohiko Sato, Wasuke Mori, Yong Xie, Nobuko Kanehisa, Yasushi Kai, Mie Fujii, Shoko Goto, Emi Nagai, Yasuo Nakao
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Journal Title
Inorganica Chimica Acta 359
Pages: 2271-2274
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[Journal Article] Room temperature oxidation of alcohols with 1 atm dioxygen and air catalyzed by a novel three-dimensional microporus ruthenium(II, III) 4, 4', 4 ', 4''' -(21H, 23H-porphine-5, 10, 20-tetrayl)...2006
Author(s)
C, N, Kato, M.Ono, T.Ohmura, W.Mori
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Journal Title
Catalysis Comm 7
Pages: 673-677
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