2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ配位空間における自己組織化金属ナノクラスターの界面制御と機能発現
Project/Area Number |
18033055
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤原 尚 近畿大学, 理工学部, 教授 (30190101)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲程 司 近畿大学, 理工学部, 助手 (10375371)
|
Keywords | ナノ配位空間 / 金属ナノクラスター / 自己組織化 / アルミナ膜 / ナノ触媒 / 炭素-炭素生成反応 |
Research Abstract |
(1)アルキル置換BINAP修飾金属ナノクラスターの合成と触媒反応:2,2'-bis(diphenylphosphino)-1,1'-binaphthyl(BINAP)の側鎖としてアルキル基を導入したC_8-BINAPを保護基とするパラジウムナノクラスター(C_8-BINAP-Pd)を合成した。C_8-BINAP-Pdの高分解能透過型電子顕微鏡を観察したところ、単分子で保護した金属ナノクラスターでありながら粒子径が1.2±0.2nmであることが分かった。一方、C_8-BINAP-Pdの触媒能について調べる目的で、2-iodobenzoateと2-(tributylstannyl)-thiopheneとのStilleカップリング反応を行った。その結果、室温という緩和な条件で反応が進行し、単離収率は91%であり、C_8-BINAP-Pdは優れた触媒能を示した。更に、反応に用いたC_8-BINAP-Pdを回収し、再度、同じ反応に用いたところ、生成物の収率は90%と1回目の反応と触媒能は変化しておらず、C_8-BINAP-Pdは、反応中も凝集することなく安定であり、触媒としてのリサイクルが可能であることが分かった。また、鈴木カップリング反応やHeck反応においても安定かつ優れた触媒能を示した。一般に、Stilleカップリング、鈴木カップリングおよびHeck反応は加熱条件で行うことが知られており、室温で行える炭素一炭素カップリング反応は有機合成において非常に魅力的である。 (2)ポーラスアルミナ-フラーレン修飾金クラスターナノ複合体の合成と電気化学的性質:フラーレン修飾金ナノクラスター(C_<60>-oxy-Au:3.0±0.5nm)を新規に合成した。次に、減圧法によるC_<60>-oxy-Auのポーラスアルミナ細孔内への導入を行った。ポーラスアルミナ-フラーレン修飾金クラスターナノ複合体(C_<60>-oxy-Au@Alumina)のX線光電子分光スペクトル測定を行ったところ、87.2eV,83.6eVにそれぞれAu 4f_<7/2>、Au 4f_<5/2>軌道に基づくピークを確認した。また、粉末X線回折スペクトル測定を行ったところ、Au(111)(2θ=38.11)とAu(200)(2θ=44.15)のピークを確認したことからもC_<60>-oxy-Auがポーラスアルミナ細孔内へ導入されていることを確認した。
|
Research Products
(4 results)