2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質配位空間を利用した気体分子センシングとシグナル伝達
Project/Area Number |
18033061
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
青野 重利 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (60183729)
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Keywords | シグナルトランスデューサー / 走化性制御 / センサータンパク質 / シグナル伝達 / 酸素センサータンパク質 |
Research Abstract |
酸素,一酸化炭素などの気体分子を選択的に感知し,一連のシグナル伝達反応を経由して様々な生理機能の制御に関与している一群のセンサータンパク質を研究対象とし,これらセンサータンパク質による気体分子センシングならびにシグナル伝達においてタンパク質配位空間が果たす役割についての解明を行った。酸素センサータンパク質として機能するHemATは,細菌,古細菌の酸素に対する走化性制御系において酸素センサーとして機能するシグナルトランスデューサータンパク質である。HemATはプロトヘムを酸素センサーの本体として利用しており,ヘムポケットには酸素の選択的センシングに必須のアミノ酸残基が存在していることが分かった。HemATが選択的に認識する必要がある酸素がヘムに配位した場合にのみ,ヘムプロピオン酸基とHis86との間に水素結合が形成され,これがcヘリックスの構造変化を誘起し,さらにCEループ,Eヘリックスへと構造変化が誘起されてゆき,最終的にThr95がヘムに配位した酸素に直接水素結合を形成するようなコンフォメーションが誘起されることが明らかとなつた。この一連のコンフォメーション変化は,酸素以外のリガンドがヘムに配位した場合には進行しないことも分かった。また,時間分解共鳴ラマンスペクトルの測定により,ヘム近位ポケットに存在するTyr133は,ヘム軸配位子であるHis123とリガンド依存的に水素結合の形成,解離を起こしており,これがHemATの分子内シグナル伝達に関与している可能性があることが分かった。
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Research Products
(17 results)