2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒッグス自己4点結合に現れる新物理学の模型の効果とその線形加速器での検証可能性
Project/Area Number |
18034004
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
兼村 晋哉 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 助手 (10362609)
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Keywords | 素粒子論 / 加速器実験 / 電弱対称性の自発的破れ / ヒッグス / 質量起源 / 線形加速器 / 湯川結合 / 新しい物理学 |
Research Abstract |
本研究計画の目的は、電弱対称性の自発的破れの機構(ヒッグスセタクター)の詳細を将来の加速器実験で検証するkとにより、素粒子標準模型を超えた「新しい物理学」の概要を明らかにすることにある。ヒッグスポテンシャルの決定にはヒッグス場の自己3点および4点結合を独立に測定することが必要である。ヒッグス場の基本性質を使いヒッグス4点結合を決定する可能性を探る。さらにいろいろな新物理学の模型でヒッグス自己結合および湯川結合、ゲージ結合への影響を計算し、将来加速器でこれらの結合定数を測定することによって「新物理学」の解明を目指す。平成18年度では、まずヒッグスポテンシャルの構造を研究して、次元6のオペレータまで考慮し、有効理論に現れる「新物理学」の効果を調べ、関連した文献を精査した。また、ヒッグスが関与する結合の研究のためにヒッグス生成に関するベクトルボソンフュージョンの有効性を調べた。 さらに準備として、トップ湯川結合に影響を及ぼす次元6の高次演算子の効果が、電子陽電子衝突からのベクトルボソンフュージョンによるヒッグス生成を通じたトップ対生成のの生成断面積に対して、どのように影響するかを、現在得られているデータと理論的制限を考慮して計算し、論文として出版した(Kanemura, Nomura, Tsumura, Physical Review D 74 (2006)076007)。この研究はさらに拡張してヘリシティの情報を取り組むことを進めている。 また、拡張ヒッグス模型に特有な荷電ヒッグスとゲージ場の結合(WZH+)に注目し、さまざまな新物理学に藻続くヒッグス模型で、この結合がどのような値をとりえるかを研究し、大型ハドロン加速器でのWZフュージョン過程でこの結合により生成する荷電ヒッグスの生成断面積を計算した。さらにバックグラウンド解析をすることによって、この荷電ヒッグス生成過程がどの模型であれば実験で検証できるほど重要になるかを定量的に研究し論文としてまとめた(Asakawa, Kanemura, Kanzaki, Physical Review D, in press)
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