2007 Fiscal Year Annual Research Report
アイソトープを使った中性子ビームと測定器の中性子応答の研究
Project/Area Number |
18034010
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
稲垣 隆雄 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (60044757)
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Keywords | 放射線 / 粒子線 |
Research Abstract |
2007年度は、前年度に準備した線源、測定器を使って、様々な測定を行なった。中性子線源は、比較的に強度が高い^<252>Cf(カリフォルニウム)とガンマー線成分がある^<243>Am-Be(アメリシウムーベリリウム)であり、測定器は10cm立方体のプラスチックシンチレーターブロック、プラスチックシンチレータと鉛からなるサンプリングカロリメーターと純CsI結晶の3種である。まず、線源周辺をポリエチレン、10B(ボロン)入りアルミ板、Gd(ガドリニウム)入りプラスチックシート、鉛板で囲み、ビーム生成を試みた。しかしながら、高強度でコリーメーションが可能な^<252>Cfの使用が未だ実現出来ていない。予定していた放射線管理区域内での実験が困難になり一般区域での実験を余儀なくされたが、様々な試行を経ても周辺の放射線レベルを一般区域の許容値以下に出来ていないからである。一方、243Am-Beを使った実験では様々なデーターが得られた。特に2つの測定器で線源を挟み、一方でガンマー線を要求し、他方では飛行時間差が大きい信号を要求することで、入射粒子が確かに中性子であるイベントを選び出す方法が有効であった。これを使って、波形観測を使った中性子とガンマー線の分離結果と比較し、中性子入射ではあるが、信号はガンマー線的である重陽子生成を選び出すという実験と解析を今進めている。様々な実験、1特にニュートリノ実験で、この重陽子生成過程を利用しているので意義あるものと考えている。 実験場所の変更などの事情で作業が遅れている。今後も研究を継続したいと考えている。特に^<252>Cfの使用は、中性子を減速し熱中性子が使える唯一の手段なので、研究目的達成には不可欠である。その為に、具体的成果報告までには、少し時間がかかる。
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