2006 Fiscal Year Annual Research Report
α計測を模擬したペレット荷電交換計測による高エネルギーイオン計測
Project/Area Number |
18035013
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
尾崎 哲 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50183033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 滋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50142302)
田村 直樹 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80390631)
松原 章浩 核融合科学研究所, 連携推進センター, 研究員 (40399308)
佐藤 国憲 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70126861)
関 哲夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60260048)
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Keywords | α粒子 / ヘリウムイオン / ペレット / 荷電交換 / LHD / イオンサイクロトロン加熱 / 中性粒子分析器 / ヘリウム比 |
Research Abstract |
ITERや核融合炉を考える場合避けて通れないのが核反応によって生じるα粒子とその閉じ込めである。大型ヘリカル装置(LHD)ではイオンサイクロトロン加熱などを用いて比較的容易に高エネルギー粒子を発生させることができ、α粒子加熱の模擬実験が可能である。これらα粒子を含む高エネルギー粒子は荷電交換だけでなくアルフベン固有モードなどの不安定性とともにプラズマから飛び出して閉じ込めを悪化させたり、壁を損傷させたりする。この高エネルギー粒子の空間分布を測定する方法を早急に確立する必要がある。これらの目的のためにペレット荷電交換粒子計測も導入した。この手法は計測ペレットをLHDのヘリウムプラズマに入射して2重荷電交換を中心付近で起こさせ、発生する中性ヘリウムを観測する方法である。実験ではまずヘリウムイオンに対して共鳴領域を有するイオンサイクロトロン加熱時のヘリウムイオン計測をペレットを使わずに行った。現在使用している中性粒子分析器がヘリウム計測のための特別なチャンネルを有しないため、再現性のある2つのショットで分析器内の粒子弁別用プレート電圧を水素用、ヘリウム用に変えることによりヘリウムと水素を区別した。分析器中での水素の散乱が無視できないので両者の比を取ることにより、イオンサイクロトロン印加時に5keV以下のヘリウムが加速されていることを確認できた。次にペレットをヘリウムプラズマに入射したとき、水素およびヘリウムを観測できるようプレート電圧をそれぞれ調整し、その比からヘリウム比の空間分布を求めた。また、並行して分析器のヘリウム、水素、および散乱水素の効率を実験と対比させながら計算より求め、より精度よいヘリウム比を得ることができた。その結果周辺部では壁からの水素の寄与によりヘリウム比は小さく、少しプラズマ中心に向かうところでヘリウムパフの影響で増大し、さらに中心に向かうと不純物蓄積とも考えられるヘリウム密度の増大が見られた。またエネルギー的には低いほどヘリウムの割合は大きくエネルギーが大きくなれば小さい。これは水素が高エネルギー粒子からエネルギー減衰して分布を形成するのに対し、ヘリウムは単純な熱分布をすることに起因すると考えられる。
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