2006 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼プラズマのためのフーリエ変換分光に基づく新トムソン散乱計測法の研究
Project/Area Number |
18035016
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
波多江 仰紀 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (10343914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 磨 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (30354575)
中塚 正大 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (20088462)
吉田 英次 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 技術専門職員 (30397781)
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Keywords | トムソン散乱 / フーリエ変換分光 / 偏光干渉計 / TPE-RX |
Research Abstract |
本研究では、世界で初めてフーリエ変換分光の手法をトムソン散乱計測に導入し、分光器の性能を上げ、核燃焼プラズマの電子温度・密度測定の測定性能を向上させる手法を確立することを目的とし研究を実施中である。本年度は次の点を明らかにした。 1.フーリエ変換分光によるトムソン散乱計測法の原理実証を行うために、トムソン散乱用フーリエ変換分光器(偏光干渉計)の詳細設計を行い、本補助金でプロトタイプの偏光干渉計を製作した。約1keV以下のプラズマの電子温度測定を対象として設計を行った。本方式ではインターフェログラムのコントラストから電子温度を評価するが、電子温度の分解能が最大となるよう、複屈折を与える水晶の平行平面結晶板の厚みの最適値(0.555mm)を求めた。 2.黒体放射炉の温度変化により異なるスペクトルを発生させ、システムの波長特性を測定し、偏光干渉計を較正する手法を開発中である。実際に、偏光干渉計に1000〜1500℃の黒体放射光を入射しコントラストを測定したところ、コントラストの相対値が理論式から求めたコントラストと一致した。この試験から、電子温度の変化に対応したコントラストの測定が可能であることが確認できた。 3.本計測法の原理実証試験を逆磁場ピンチ装置TPE-RXおよび既設のYAGレーザートムソン散乱計測装置を用いて行った。TPE-RXのPPCD(Pulsed Poloidal Current Drive)放電によって電子温度約1keV、線平均電子密度約1x10^<19>m^<-3>のプラズマを生成し、既存の干渉フィルターポリクロメーターと偏光干渉計を交互に用い、空間1点(プラズマ中心近傍)の電子温度の測定を行った。ショットの再現性、検出器ノイズ及び較正に多少の問題が残るが、ほぼ同様の電子温度(約1keV)を得た。これにより、本方式の有効性を初めて実証した。
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