2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18037014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 正治 京都大学, 化学研究所, 教授 (00282723)
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Keywords | クロスカップリング反応 / 鉄触媒 / 化学資源 / 普遍金属 / 有機合成 / 炭素-炭素結合形成 / 有機マグネシウム化合物 / 有機亜鉛化合物 |
Research Abstract |
従来,ハロゲン化アリール・ハロゲン化アルケニルなどのsp2炭素-ハロゲンを有するハロゲン化物が精力的に研究されてきたのに対し,ハロゲン化アルキルなどのsp3炭素-ハロゲンを有するハロゲン化物を用いた反応は例が少ない.特に結合エネルギーの大きな炭素-塩素結合や炭素-フッ素結合の選択的活性化は困難である.本研究では鉄触媒に適切な配位子系を開発し,不活性な官能基炭素分子である塩化アルキル類を炭素資源として活用する精密合成手法の実現を目指し研究を行い以下に挙げる成果を得た. [1]鉄触媒によるハロゲン化アルキルとGrignard試薬のカップリング反応:一般にβ水素を有するハロゲン化アルキルを用いたクロスカップリング反応では,β水素脱離によるオレフィンの生成や,また金属ヒドリド種による還元体の生成が問題となり,望みの炭素一炭素結合生成反応が選択的に進行しない.そこで,ハロゲン化アルキルと芳香族Grignard試薬の鉄触媒クロスカップリング反応について,β水素脱離を制御する目的で種々の添加剤を検討した.結果,キレートジアミン化合物であるTMEDAを用いるとクロスカップリング反応が効率良く進行することがわかった.求電子剤としてヨウ化物・臭化物の他に通常困難とされる第二級塩化物を用いても反応は良好に進行し,クロスカップリング生成物が定量的に得られた.[2]鉄触媒によるハロゲン化アルキルと有機亜鉛試薬のカップリング反応:有機亜鉛試薬はその穏やかな反応性のため,官能基選択性や立体選択性の制御された高度分子変換を可能とする有機金属試薬として期待が持たれる.鉄触媒によるクロスカップリング反応のさらなる官能基共存性の向上を目指し,有機亜鉛試薬を用いた反応の開発を行い,ルイス酸性金属塩と鉄触媒の相乗効果により同クロスカップリング反応が速やかに進行することを見いだした.
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Research Products
(4 results)