2006 Fiscal Year Annual Research Report
不活性炭素-炭素結合の触媒的切断/炭素骨格再構築を鍵とする高度分子変換法の開発
Project/Area Number |
18037036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 輝幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (20211914)
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Keywords | 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 有機工業化学 / ルテニウム / ロジウム / メタラサイクル / 炭素-炭素結合切断 / ロジウム / メタラサイクル / 炭素-炭素結合切断 / 原子効率 |
Research Abstract |
1.新規ルテニウム錯体触媒存在下、一酸化炭素、酢酸アリルの添加を必要としない第3級ホモアリルアルコールの脱アリル化反応およびアルデヒドヘの高選択的アリル基移動反応 我々は既に、RuCl_2(PPh_3)_3錯体触媒存在下、β-炭素脱離反応を鍵とする第3級ホモアリルアルコールの高選択的脱アリル化反応の最初の例を見出し報告している。しかしながら、本反応には一酸化炭素の加圧、および酢酸アリルの添加が不可欠であるという欠点があった。そこで本研究では、一酸化炭素および酢酸アリルの添加を必要としない新しいルテニウム触媒系の探索を行い、0価ルテニウム錯体Ru(η^6-cot)(η^2-dmfm)_2[cot=1,3,5-cycIooctatriene, dmfm = dimethyl fumaratelおよびRu(η^4-cod)(η^6-cot)[cod = 1,5-cyclooctadienelが、PPh_3配位子共存下、アルゴン雰囲気下で第3級ホモアリルアルコールの脱アリル化反応に、またホモアリルアルコールからアルデヒドヘのアリル基移動反応に高い触媒活性を示すことを見出した。 2.ロジウム錯体触媒を用いるシクロブテノン類とアルキンおよび電子不足アルケンからの置換フェノール類のワンポツト合成 本研究では、まず、ロジウム錯体触媒存在下、シクロブテノン類の炭素-炭素結合切断を経るアルキンとの共環化反応が進行し、対応するフェノール誘導体が良好な収率で得られることを見出した。さらに、アルキンの替わりに電子不足アルケンを用いた場合も、脱水素異性化反応を経てワンポットで置換フェノール類が良好な収率で得られることを見出した。本反応は、ロジウム錯体触媒に特徴的な反応であり、他の遷移金属錯体触媒では全く進行しなかった。Liebeskindらの報告を考慮すると、本反応の鍵中間体は、ロダシクロペンテノン錯体ではなく、(η^4-ビニルケテン)ロジウム錯体であると考えられる。
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Research Products
(3 results)