2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18038012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
蒲池 利章 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (30272694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畠 健治 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (80312263)
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Keywords | mRNA / GCクランプ / RNA-DNA2本鎖 |
Research Abstract |
近年、遺伝子やタンパク質が生体内でどのような働きをしているかということに注目が集まっている。その中で、これら遺伝子やタンパク質の細胞内での働きを知るために、タンパク質や代謝産物などの網羅的解析技術の開発が望まれている。本研究では、細胞内全mRNAの網羅的な解析が可能な分離法の開発を行う。さらに、分離したmRNAの高感度塩基配列決定法についても検討した。 本年度は2次元電気泳動によるmRNAの分離方法を確立するために、以下のような研究を行った。本研究では1次元目に通常の電気泳動を行い、分子量に基づく分離をおこない、2次元目として温度勾配電気泳動法2次元電気泳動をおこなった。mRNAから逆転写酵素により相補鎖DNAを合成する際に特殊なプライマーを用いることにより、GCクランプの付加したRNA-DNA2本鎖の合成を行った。まず、細胞から抽出したmRNAを鋳型に逆転写酵素を用いて相補鎖のDNAを合成した。このDNA合成に用いるプライマーとしては、一般的にmRNAのポリA鎖に対する相補鎖であるポリT鎖を用いた。本研究ではさらにGCクランプを分子内にもち、さらに分子内でヘアセン構造を形成するプライマーを用いた。つぎに、このプライマーを用いて合成したmRNAの相補鎖とmRNAをDNAとRNAに作用するリガーゼを用いて結合する(ライゲーション)。次に作成したRNA-DNA複合体を用いて温度勾配電気泳動を行い、最適分離条件についての検討を行った。これらの検討を行うことにより、目的とするmRNAの分離方法が確立できた。
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