2006 Fiscal Year Annual Research Report
チエニルポルフィリン類を用いた共役ポリマーの合成と機能開拓
Project/Area Number |
18039036
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小柳津 研一 東京理科大学, 総合研究機構研究部, 助教授 (90277822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 真 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40192801)
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Keywords | ポルフィリン / ポリチオフェン / 配向 / 共役系 / 超臨界二酸化炭素 / 導電性 / 電極触媒 / ドープ |
Research Abstract |
本研究は、メソ位3-チエニル基置換されたポルフィリンを用いてポルフィリンとポリチオフェンからなる全共役系の高分子錯体を合成し、連鎖に沿ったポルフィリン環の配向が無秩序から共面配列まで階層的に制御された一連のp共役連鎖を創出することを目的とする。物質移動が顕著に促進される超臨界二酸化炭素中での電解重合により、精密な積層膜を構築する。これを用いて、ポリチオフェン鎖がポルフィリン部位の酸化還元における電子移動経路を提供することを実証し、高効率な電子移動触媒およびエネルギー変換系としての可能性を明らかにする。本研究の結果、類例のない全共役系ポルフィリンーポリチオフェン複合体を提供することに成功し、ポリチオフェンに沿ったポルフィリン環の配列制御や人工格子の構築に展開すると共に、ポリチオフェンを電子伝達経路に用いてポルフィリンのレドックス活性を向上させた。具体的成果を以下に述べる。 (1)チエニルポルフィリン類の設計と合成 ポルフィリンーポリチオフェン複合体の単量体としてチエニルポルフィリンを合成し、中心金属を導入した。チエニル基の置換位置の違いに基く生成ポリマーの高次構造の多様性により薄膜物性に差異が生じることを明らかにした。 (2)化学酸化重合によるポリマー合成 チエニルポルフィリン類を化学酸化重合し、ポルフィリン配向度の高いHT-HT型ポリマーを得た。ポルフィリン環の立体障害が緩和された共重合体を合成し、立体規則性を保ちながらポルフィリン環の配向度が制御された一連の誘導体に展開した。各種スペクトルからポルフィリンの整列度を解析し、成膜性と導電性を有する配向ポルフィリン集積体として確立した。 (3)電解重合による薄膜化 常温常圧下におけるチエニルポルフィリン類の電解重合を経て、超臨界二酸化炭素環境下における電解重合へ展開し、膜厚や配向度が精密制御された高密度ポルフィリン集積膜を作製した。ナノレベルの超構造薄膜を形成しうる材料としての性質を、構造と相関させてまとめた。 (4)多重積層膜の構築と機能開拓 超臨界二酸化炭素中で得られる平滑・高密度の導電性薄膜を用いて、膜厚がナノメータレベルで制御された積層構造を構築した。ポルフィリン環に局在するHOMOの高いエネルギーレベルにより極めて高いエネルギーレベルにより極めてp-ドーブ容易なポルフィリン-ポリチオフェン複合体として確立した。
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Research Products
(6 results)