2006 Fiscal Year Annual Research Report
精密合成化学的手法を利用した有機分子ー基板接合系の構築
Project/Area Number |
18041002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 賢二 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (10333593)
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Keywords | シリコン / 金 / ナノリンク / 基盤表面 / 接合 / 電子輸送 |
Research Abstract |
電子輸送効率を考慮した有機分子-基盤表面接合系の精密構築手法の開発を目的に研究を実施した。有機分子としては、含窒素ヘテロ環カルベン(NHC)、および、研究代表者らが近年開発した剛直かつコンパクトで高い電子供与能を有する新規ホスフィン配位子SMAPについて検討した。また、基盤表面としては金表面および単結晶シリコン表面を用いて検討を実施した。 別途合成手法を確立したジスルフィド部位を有するNHC-遷移金属錯体を金表面上に導入した。高密度固定化する手法として、金表面上におけるアルカンチオールの自己組織化現象を利用した。得られた表面をX線光電子分光(XPS)および全反射赤外反射吸収スペクトル(IR-RAS)法によってによって評価した。また、角度分解XPS解析からさらに詳細な分子層の深さ情報を得た。本手法によって固定化可能な金属として、ロジウム、イリジウム、金について確認した。さらに他の多様な金属種についても適用可能と思われる。 新規ホスフィン配位子SMAPを金表面上に導入する検討では、別途合成したSMAP末端を有するアルカンチオールを用いて形成したホスフィン単分子層の構造を詳細に求めた。ロジウム、イリジウム、金など種々の金属種との結合が配位子上で可能であることを確認した。XPS、IR-RAS、電気化学的手法から、ここで用いたホスフィン分子が直鎖アルカンのほぼ90%という高い表面密度で単分子層を形成することが判明した。 また、ホスフィン配位子SMAPの単結晶シリコン表面での接合が、SMAP末端を有するアルケンを用いて可能であることを確認した。
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