2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18041007
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教授 (10345663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富取 正彦 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (10188790)
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Keywords | ナノコンタクト / ナノ材料 / 共役系分子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、基板-有機分子または有機分子-STM探針を連結する化学種が、分子を介した電子伝導にどの様に影響するかを解析することにある。具体的には、共役結合と非共役結合を用いて分子の両端を接合した試料、あるいは基板/分子界面または分子/探針界面の何れかに非共役結合を導入した試料でトンネル電流を比較する。この様にして、有機分子を経由する電気伝導が、基板と探針のどちらの接合界面に強く影響されているかを明らかにする。さらに、共役連鎖長の異なるオリゴマーをシリコン基板上で合成した後、STM探針と化学的に結合させ共役連鎖長の異なるナノ構造体を形成する。この試料のトンネル電流測定から分子内の電気伝導と共役連鎖長の関係を解析する。 本研究は全体を以下の4つのステージに分けて実施している。 1.アミノ基終端シリコン基板の作成と共役系分子の固定化 2.化学修飾したSTM探針の作成 3.基板-共役系分子-STM探針からなるナノ構造体の構築と電気伝導性評価 4.ナノ構造体の共役連鎖長制御と電気伝導性評価 18年度は、上記の1、2について実施した。アミノ基終端したシリコン基板に共役系分子を反応させるために、アミノ化後の基板を大気開放せずに有機分子蒸着用の真空装置に搬送する必要があった。そこで試料搬送用真空装置を設計し既存の蒸着装置に追加した。実際に試料搬送用装置を用いてサンプルを搬送したところ基板表面が汚染され正確な評価が困難であることが判明した。現在、試料搬送装置の改良を実施している。今回の結果を受けて、アミノ基終端シリコン基板であっても、試料の作成から評価までを厳密に管理した条件下で行う事が必要である事が明らかになった。そこで評価用の超高真空STM装置にアミノ基終端基板作成用のチャンバーを連結する事を行う。これにより真空中での素子作製から評価までを一貫して進めることが可能となり試料搬送に伴う問題を回避できると考えられる。
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