2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノギャップ平坦電極の作製と有機薄膜の電気伝導特性評価
Project/Area Number |
18041009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑原 裕司 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (00283721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 恵 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50437373)
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Keywords | ナノコンタクト / 分子の電気伝導 |
Research Abstract |
本年度は、有機薄膜の局所領域における電気伝導特性評価について、 1. 独立駆動2探針SIMを用いた、導電性有機薄膜の電導度異方性の評価 2. ナノギャップ平坦電極と導電性有機単結晶薄膜を組み合わせた高移動度有機FETの作製を行った。 1. については、試料にペンタセン単結晶を用いた。まず、市販されているペンタセン粉末を昇華精製することにより、純度のよいペンタセン単結晶をSiO_2基板上に作製した。独立駆動2探針STMは、作製した微結晶の中で特に結晶性のよい領域、すなわち意図した局所領域での電気伝導特性の評価が可能なため、精度および再現性のよい実験データを取得することに成功した。これまでの電導度異方性の研究では結晶サイズがsub mmの領域での結果しか報告されていなかったが、今回数μm領域での電気伝導度の異方性評価に成功した。電気伝導度を測定角度(約10度刻み)に対してマッピングすることにより、方位によって電気伝導度及び移動度が約2倍程度違うことを始めて局所領域で明らかにした。この成果は、微細化する有機薄膜デバイスの評価法としてだけでなく、ナノサイズ化による性能劣化(短チャンネル効果)に起因するさまざまな要因を検討する上で大きな指針となる。 2. については、共同研究により作製した膜厚約1 umのルブレン単結晶薄膜をナノギャップ平坦電極に組み込むことにより、高移動度・高信頼性の有機FETを試作した。これまで報告されていた有機FETでは、金属/有機薄膜界面の接触抵抗が大きいため、電極間隔を短く(微細化)することによりFET性能が劣化することが知られていたが、今回、有機薄膜と金属電極をストレスなく円滑に接合できるナノギャップ平坦電極を用いることにより、界面抵抗を極端に減少することに成功し、有機ナノデバイスとしては世界最高の移動度を実現することに成功した。
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Research Products
(9 results)