2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18041011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 正輝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40362628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 潤 大阪大学, 工学研究科, 助手 (00322173)
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Keywords | 表面・界面物性 / ナノコンタクト / ナノ材料 / 光電子分光 / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
ベンゼンチオール、ベンゼンセレノール、およびベンゼンテレノールを用いた自己組織化膜を金基板上に作製し、金-硫黄、金-セレン、および金-テルルの結合性とそれぞれのSAM膜の状態密度を比較した。その結果、ベンゼンチオールとベンゼンセレノールでは、金-硫黄結合と金-セレン結合に対応する結合エネルギーがXPS測定から観測された。ベンゼンテレノールは不安定な化合物であるため、ジフェニルジセレニドからSAM膜を作製し、XPS測定を行った。その結果、光を当てた状態で作製したSMA膜では、テルル酸化物が主生成物であったが、遮光条件下で作成したSAM膜では金-テルル結合が観測された。さらに、ベンゼンチオールとベンゼンセレノールのSAM膜の光電子分光測定を行ったところ、ベンゼンセレノールSAM膜の状態密度が、金のフェルミ準位に近い位置から立ち上がるのが観測された。つまり、ベンゼンセレノールSAM膜の方が、ベンゼンチオールSAM膜よりホールに対する低いショットキー障壁を持つことが明らかとなった。従って、電極と強い結合を形成し、電荷注入障壁の小さい電極-分子接合として、金-セレン結合が量子伝導に有利であることが示された。さらに、ベンゼンチオールSAM膜とベンゼンセレノールSAM膜の電子状態計算を√<3>×2の金[111]面構造を仮定して密度汎関数法で行ったところ、光電子分光法で得られた結果と定性的に同じ結果が得られた。また、ベンゼンチオールSAM膜とベンゼンセレノールSAM膜をSTMで観察したところ、ともに自己組織化構造が観察された。
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Research Products
(3 results)