2006 Fiscal Year Annual Research Report
電極接合多点アンカー部位を導入した被覆型オリゴチオフェン分子ワイヤの創製
Project/Area Number |
18041012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80362622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 芳雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60151065)
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Keywords | 三脚型アンカー分子 / 被覆型分子ワイヤ / 単分子デバイス / オリゴチオフェン / 金属電極接合 |
Research Abstract |
本研究では単分子デバイスの実現を指向した拡張共役系化合物の創製を目的としている。この目的実現のため、今年度より金属電極と有機分子の接合部の局所電子状態を明らかにするのに適した分子、および、単分子の電気伝導特性を明らかにする目的に適した被覆型共役オリゴマーの創製に着手した。前者に関しては、電極との確実で強固な接合が可能なアンカー分子開発の観点から、申請者は三脚型アンカー分子に着目した。三脚型アンカー分子は、電極との接点が三カ所あるため、官能基と電極との結合が弱くても共同効果によって接合が可能であり、さらに、三脚型構造をとるため電極に対して垂直に自立する事が期待された。本研究では従来のチオール基に代わる新たなアンカー官能基の開発と同時にアンカー官能基による電極-分子間の接合能を系統的に明らかにするため、チオール基以外に、ピリジン環、アミノ基、カルボキシル基、エチニル基、セレノシアノ基を導入した三脚型化合物の合成に着手し、いずれも合成を達成した。後者に関しては、有用な分子ワイヤとして期待されているオリゴチオフェンに着目して被覆型分子ワイヤの開発を目指した。分子ワイヤの共役平面を被覆することで分子間相互作用による影響を排除できるため、単分子伝導特性が明らかとなる事が期待された。そこで、本研究では立体的に嵩高い置換基を効果的に共役平面の上下に配置できる分子設計に基づき、チオフェン環にフルオレン環を縮環させた新規被覆分子ユニットの開発に成功した。さらにこのユニットを基本単位に用いたオリゴマー合成の予備検討を行い3量体までの合成を達成した。
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