2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属ポルフィリンを接合部位に用いた分子ワイヤーの合成研究
Project/Area Number |
18041013
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
杉浦 健一 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授 (60252714)
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Keywords | 分子ワイヤー / ナノサイエンス / アセチレン / ポルフィリン / 電子移動 |
Research Abstract |
本申請研究は、ワイヤー状分子の合成とその機能評価の二つのステージから構成される。標的とするワイヤー分子は、アセチレンを多数個連結させたオリゴアセチレンを採択し、その両末端にポルフィリンを導入した。このような分子を合成し、その単分子電気伝導を表面科学の手段を用いて行なうことを最終到達目標とする。 合成に当たっては、電気伝導の測定が現在の表面科学の技術で実施可能であるよう、出来るだけ長いものを合成することとした。オリゴアセチレンの合成化学は、100年以上に亘って合成化学者の興味を惹きつけてきたが、現在までに14個の合成までしか報告がなされておらず、合成化学の観点からも、画期的な合成である。アセチレン自身が酸化状態でカップリングし易いことに着目し、アセチレンを10個有したポルフィリン単量体をまず合成し、然るべき化学変換を行ない、目的化合物へと導く。尚、 機能評価:得られたワイヤー状分子について、単分子電気伝導の評価を目指す。まず、最も簡便な手法として、溶液状態において分子内光誘起電子移動過程を利用して、大まかな挙動を明らかにする。次に、表面科学の手法を用いてナノギャップ電極を作成し、この電極に分子を橋渡して、単分子の電気伝導を評価する。申請者は、当特定研究の表面科学を専門とする班員の先生方との共同研究にも意欲的である。
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