2007 Fiscal Year Annual Research Report
負パリティーラムダハイペロンに対するペンタクォーク模型の研究
Project/Area Number |
18042006
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
井上 貴史 Sophia University, 理工学部, 助教 (80407353)
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Keywords | ストレンジネス / ハイペロン / ペンタクォーク / エキゾチック |
Research Abstract |
本研究の目的は、負パリティーの∧ハイペロン∧(1405)等を、ペンタクォーク模型で説明する事が可能か否か明らかにする事である。その為に、具体的なペンタクォーク模型を構築し、物理量を計算した。模型の構築に関しては、ダイクォーク自由度を用いず、フルの5クォーク系とした。ダイナミクスを抜きにすると、クォークのフェルミ統計性とQCDのカラー閉じ込めから、∧(1405)に対応するJ^P=1/2^-の状態は、3重に縮退している事が解かった。ペンタクォーク中のクォークダイナミクスに関しては、何も情報がないので、核子を良く記述する核子中のクォークダイナミクスを使うことにした。それは準摂動的グルーオン交換力とカイラル対称性を回復する擬スカラーメソン交換力である。これを適用すると先の3つの状態は、ほぼ縮退した2つの状態と、ずっと上の1つの状態に分離することが解かった。ここで、次年度はアンケート結果の詳細な分析を行い、臨床および教育現場において診療補助業務の実施や教育を考えていく上での資料となるよう、実態の把握及び倫理・看護の独自性からの考察を行っていく予定である。(1405)が2つの状態から出来ている点は、出発点の全く異なる他の模型からも予言されており、興味深い。続いて、この模型におけるペンタクォークな∧(1/2^-)の性質を調べた。始めにσ-項を計算した。結果は、51〜55MeVと、両方とも、価クォークの数5個から推測される値に比べてずっと大きい。これは、状態が単純な5クォーク系ではなく、余剰なクォークを多く含む事を意味している。さらにスカラー形状因子を計算したところ、この余剰クォークは運動量移行が有限な領域で急激に消えることが解かった。約5GeV^2の所で価クォークの寄与だけになる。この特徴は実験での確認に使える。続いて、崩壊幅を計算した。非相対論の波動関数を借りて見積もったところ、実験値の倍から4倍大きい値が得られることが解かった。これは模型の致命的欠点であるかもしれない。しかし、上の見積りは非常にラフで問題がある事も解かった。最終的な結論にはさらに正確な計算が必要である。
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Research Products
(7 results)