2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18042008
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
溝井 浩 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (30388392)
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Keywords | ハイパー核 / 高エネルギー重イオン反応 |
Research Abstract |
本研究では、高エネルギー重イオン反応によるハイパー核の生成を検出し、その生成メカニズムを解明し、また生成断面積の測定を行うことを目的としている。 通常のハイパー核生成実験は、πやKといった中間子ビームを安定核標的に入射して行われるため、生成できるハイパー核の種類が限られている。一方、高エネルギー重イオンビームを用いた方法では、原理的には、入射重イオンが破砕して生成される核種全てのハイパー核が生成されうる。 この研究では、生成されたハイパー核が飛行中に崩壊する様子を観測する必要がある。今年度は、ファイバーシンチレータを使った飛跡検出器のプロトタイプを製作し、ドイツ重イオン研究所のシンクロトロン加速器を使って試験を行った。実験では、核子当たり2GeVのエネルギーを持つ高エネルギー^<12>Cビームと、^<12>Cから生成される核種のビームを使って、ファイバーシンチレータの特性を測定した。また、読み出し用のロジックモジュールを組み合わせての動作試験も行った。試験の結果、ファイバーシンチレータが十分な分解能を持つこと、ロジックモジュールが設計通りの動作をすることが確認できた。来年度以降、計算機によるモンテカルロシミュレーションを進め、検出器系の設計を固める。またこれにより、ファイバーシンチレータとドリフトチェンバーを組み合わせた飛跡検出器の実機の製作と、粒子識別や飛行時間測定用の周辺の検出器群の設計を進める。
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