2006 Fiscal Year Annual Research Report
異方的三角格子系におけるスピン三重項超伝導理論の展開
Project/Area Number |
18043006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
太田 幸則 千葉大学, 理学部, 助教授 (70168954)
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Keywords | 物性理論 / 強相関電子系 / 超伝導 / 磁性 / リング交換 / トリプレット超伝導 / 有機導体 / 密度行列繰り込み群 |
Research Abstract |
本研究の目的は、密度行列繰り込み群(DMRG)等の数値的手法を駆使することにより、異方的三角格子系を含む特殊な低次元格子構造を持つ種々の強相関電子系物質を対象に、リング交換機構によるスピン三重項超伝導の微視理論の更なる展開を行うことである。特に、次の3点を明らかにする。(1)ジグザグ梯子格子ハバード模型の低エネルギー電子状態の解明、(2)2次元異方的三角格子系におけるスピン三重項超伝導の発現機構の実証、(3)現実の物質群で観測される超伝導と理論との対応付け。 本年度は特に、次の各課題を実行に移した。(1)ジグザグ梯子ハバード模型の基底電子相図と低エネルギー励起構造の解明。すなわち、基底状態DMRGにより、幅広いパラメータ・フィリング領域に渡る基底相図を作成し、動的DMRGにより、スピン・電荷自由度の低エネルギー励起構造を明らかにした。(2)リング交換機構によるスピン三重項超伝導の有効平均場理論の構築。すなわち、リング交換機構による引力相互作用を有効模型に置き換える方法の考案を試みた。(3)分子性導体や遷移金属酸化物におけるスピン三重項超伝導の可能性の探索を行った。特に、有機導体(TMTSF)2Xで観測されるスピン三重項超伝導に関しその機構を更に検討した。また、最近発見されたCuO二重鎖系(Pr_2Ba_4Cu_7O_<15-?>等)の超伝導に関して調査を進めた。(4)リング交換機構が働く三角格子関連の2次元系に理論を拡張に関して、3本足梯子系の採用により超伝導対称性(p波、f波等)の検証を行った。
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Research Products
(6 results)