2006 Fiscal Year Annual Research Report
電場吸収・発光分光法によるイオン液体の分子配向と溶媒溶質相互作用の研究
Project/Area Number |
18045001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飯森 俊文 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (60360947)
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Keywords | シュタルク効果 / 電場効果 |
Research Abstract |
本研究は、イオン液体およびその溶液に関して、電場吸収スペクトルおよび電場発光スペクトルの測定を行い、分子の光励起にともなう双極子モーメントや分子分極率の変化量、およびイオン液体と溶質分子間の相互作用を明らかにすることを目的とする。本年度は、電場変調測定用の液体セルの開発を行った。導電材料の薄膜でコーティングした石英基板を透明電極として使用し、液体試料を2枚の電極間にサンドイッチし、スペーサーを利用して電極間隔を固定した。光源としてキセノンランプを用い、電極からの透過光を、光電子増倍管により検出した。波形発生器により発生させた交流電圧を高速電圧アンプを用いて増幅し、液体セルへ印加した。透過光強度において、交流周波数の2倍の周波数に同期した変調成分をロックインアンプを用いて検出した。今回開発した液体セルの動作検証を行うために、色素分子であるクマリン153のベンゼン溶液に関して電場吸収スペクトルを測定し、光吸収にともなう双極子モーメントの変化と分子の電場配向に由来する信号を検出することができた。得られた双極子モーメントの変化量は、既報のものとよく一致していた。常温イオン液体である1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドについて、電場吸収スペクトルを測定し、イミダゾリウムカチオンの吸収帯に近い波長領域において電場効果を観測することができた。
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Research Products
(7 results)