2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体で膨潤する新規ポリイミドゲルの合成と光応答性アクチュエーターへの応用
Project/Area Number |
18045011
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渡辺 敏行 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (10210923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 賢司 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (10251589)
戸谷 健朗 東京農工大学, 大学院工学府, 技術職員 (50397014)
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Keywords | アクチュエーター / 高分子ゲル / アゾベンゼン / 光応答性 / イオン液体 |
Research Abstract |
我々は剛直なアミド酸オリゴマー中にアゾベンゼンを導入し、さらに三官能性の架橋剤と反応させ、規則正しい網目構造を有する高分子ゲルを作製した。 このような高分子ゲルをアクチュエーターとして利用する際に、分子鎖中に生じるミクロな変形をマクロな運動へと変換する必要がある。ゲルを合成する際に不均一構造が形成されると、網目鎖中の空隙が分子鎖中の変形を吸収し、マクロな変形は生じない。我々は分子動力学法を用いて三官能性の架橋剤と反応する二官能性の高分子主鎖が柔軟な場合と剛直な場合で、網目構造の形成にどのような違いがあるかを計算した。柔軟な主鎖から合成したゲルにおいては反応時に不均一構造が形成されてしまうことがわかった。これに対して剛直な主鎖から合成したゲルは比較的均一な網目構造を形成していた。柔軟な主鎖から合成したゲルはゾルゲル転移に対応するような挙動が見られ、ゲル化に伴い不均一性が発現するのに対して、剛直な主鎖から合成したゲルは、架橋前と架橋後での均一性に大きな差はみられなかった。 この高分子ゲルをN, N-ジメチルホルムアミドを溶媒として用いて2枚のスライドガラス中で重合し、イオン液体である(1,3-Diethylimidazolium bromide)で置換した。この高分子ゲルを顕微鏡下で観察する際に青色レーザーを照射すると、ゲルが収縮し、青色レーザーを切ると、膨潤した。この青色レーザーのOn、Offを繰り返すとゲルが拍動し、その中に含まれている溶媒をはき出し、ポンプとして機能することが明らかになった。
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Research Products
(11 results)