2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18045015
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
萩原 久大 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20006331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 隆 新潟大学, 自然科学系, 助手 (20303175)
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Keywords | イオン液体 / 固定化触媒 / 固体担体 / 有機金属触媒反応 / 環境対応型触媒 |
Research Abstract |
環境対応型の有機素材生産には触媒の選択が重要な鍵となる。これまでは金属触媒が多用されてきたが、それに代わるものとして低分子量の有機化合物に触媒機能を持たせた有機分子触媒が期待を受け、盛んに研究が行われている。製品あるいは環境への金属の漏洩、触媒廃棄および金属資源供給に関わる問題が無いからである。加えて、分子触媒の設計の自由度の高さ、供給の容易さも魅力となっている。しかし、有機化合物であるため均一系触媒であり回収できず、また安定性に欠け失活し易く、リサイクル使用は難しい。触媒効率(TON)も高くはない。有機分子触媒の持つ長所を生かし、かつ短所を補うためには、固体担体への担持という方法が考えられる。 本研究では、有機分子触媒として機能する酸性イオン液体をシリカゲル上に固定化し、それを固体触媒(ILIS : Ionic Liquid Immobilized on Silica)として新たな反応へ展開した。 シリカゲルに酸性イオン液体を担持した固体触媒を用い、様々なアルデヒドとインドールとの反応を行なった。その結果、インドール2分子とアルデヒドが縮合し、高収率でbis (indolyl) methane類を合成する事に成功した。この反応はインドール2分子とアルデヒドが1つのフラスコ内で脱水縮合する3成分連結反応であり、生成物は生理活性化合物として有用である。 固定化触媒ILIS-SO_2Clは、アリルイミダゾリウムイオン液体とチオプロピル基を担持したシリカとのラジカル付加反応により合成した。この固定化触媒を用い反応条件を種々検討した結果、アセトニトリル中、室温で反応は進行し、高い收率で反応生成物を与えた。基質一般性は高く、芳香族アルデヒドのみならず脂肪族アルデヒドも好收率で反応した。また、インドール部に置換基があっても反応は問題無く進行した。さらに、酸に弱いOTBDMS基や塩基に弱いOAc基を置換した芳香族アルデヒドも生成物を与え、本反応条件が温和である事が示された。ペレットシリカゲルを用いると、触媒は簡単な濾過操作のみで回収され、少なくとも4回平均牧率94%でリサイクル使用する事ができた。
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