2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を用いた新規なゼロエミッション廃プラスチックリサイクル法の開発
Project/Area Number |
18045024
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上村 明男 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30194971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 宏守 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90211383)
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Keywords | イオン液体 / 解重合反応 / 廃棄物再資源化 / プラスチック化学リサイクル / ポリアミド |
Research Abstract |
イオン液体中で解重合させるプラスチックとしてポリアミド樹脂を選択肢その解重合を検討しゼロエミッションリサイクルを可能にする簡便な手法の開発に成功した。 ポリアミド樹脂の分解にはある程度高温が必要であり、本質的には加溶媒分解であるので、水のような分子が必要となる。しかし6-ナイロンの場合は、分解した後に生じるのがモノマーのカプロラクタムであるので、特に溶媒分子を必要としない。そのため低沸点である反応剤を添加する必要がなく、反応系の構築が容易であると考え、この分解反応を各種イオン液体を用いて検討した。 反応に用いるイオン液体を種々検討した結果、としては4級アンモニウム系(PP13あるいはTMPA)が最もよい結果を与えることを見出した。対アニオンの選択は重要で、BF4はあまりよい結果を与えなかったがTFSIが最もよかった。反応温度は300℃が最適で、これより高くても低くてもカプロラクタムの収率は低下した。また触媒としてDMAPは必須であった。 実験室レベルの反応であるので、反応にはグラスチューブオーブンを用い、クーゲルロール蒸留の手法で、減圧下生じたカプロラクタムを速やかに蒸留留去して生成物を得る工夫を行った。こうすることで反応終了後抽出などの操作をする必要がなくなり、きわめて簡便な解重合系を構築することができた。 用いたイオン液体は再利用できた。すなわち解重合を終了させたイオン液体に6-ナイロンを追加し加熱することで、特に収率の低下もなく80%以上の収率で連続解重合できることがわかった。この操作を5回繰り返したが、いずれもうまく解重合(>80%)できることがわかった。5回の反応終了後のイオン液体のNMRから、特にモノマー成分は残っておらず、加えた6-ナイロンはほぼ完全に解重合されたことがわかった。またイオン液体は黒ずむものの、NMRからは特に分解も認められなかった。
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