2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18045029
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢野 陽子 立命館大学, COE推進機構, 助教授 (70255264)
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Keywords | X線反射率測定 / 表面X線回折 / イオン液体 / BMIM TFSI |
Research Abstract |
X線反射率測定(XR)は、X線を試料に対してすれすれに入射させ、全反射角度近傍での反射率を観測することにより、表面深さ方向の密度分布を得ようというものである。最近発展してきた様々な表面構造研究の手法と比較すると、その多くが表面1層のみの分子配向等を見るのに対し、表面に「埋もれた」構造まで見ることができるという利点がある。Solutskinらはこの手法を用いたところ、BMIM BF_4とPF_6は表面で液体金属のように層状の構造をとらないが、表面の密度がバルクに比べて18%も大きいということを見出した。彼らは2つの構造を提案しているが、そのどちらが正しいかを明らかにするには表面回折測定(GIXD)を行って、水平面内の構造を明らかにする必要があると言っている。表面回折測定とは、XR法と同様にX線を試料に対してすれすれに入射させることで、試料へのX線侵入深さを10mm程度に抑え、そこからの回折X線を測定する手法である。反射率が(入射角=反射角)の配置で測定する方法であるのに対して、(入射角≠回折角)であるため表面内の構造情報も得ることができる。今年度私は両方の手法を併用して、共通試料として購入したBMIM TFSIの表面構造研究を試みた。 X線反射率測定の結果 厚さ70Åでパルクの密度の80%の希薄な層の存在を示唆する結果が得られた。これはBMIM BF_4とPF_6についての結果と異なることから、現在、空気中での測定における不純物混入等の可能性を検討中である。 表面回折測定の結果 分子配列が等方的であることを示すリング状の回折パターンが観測された。第一回折リングは散乱ベクトルq=4πsinθ/λに換算すると0.9Å^<-1>に相当し、片柳らによって報告されているBMIM IのバルクのX線回折ピーク1.5Å^<-1>よりもだいぶ小さい。このことはBMIM Iよりも1.6倍大きな長周期構造を持つことを示している。
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Research Products
(5 results)