2006 Fiscal Year Annual Research Report
特異環境場におけるイオン液体---ガス貯蔵媒体としての特性解明と制御の試み
Project/Area Number |
18045034
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金久保 光央 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 主任研究員 (70286764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 恭男 山形大学, 理学部, 教授 (60202024)
松永 英之 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 主任研究員 (60157336)
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Keywords | 化学物理 / イオン液体 / 二酸化炭素排出削減 |
Research Abstract |
1-アルキル-3-メチルイミダゾリウム(アルキル鎖はブチル、ヘキシル、オクチル)をカチオン、PF6-、BF4-、(CF3SO2)2N-をアニオンとしたイオン液体に二酸化炭素を加圧、溶解したときの電気伝導度の圧力依存性を決定した。どのイオン液体の場合も、電気伝導度は〜7MPa付近までほぼ直線的に増加し、イオン液体中の輸送現象は二酸化炭素の溶解により大幅に改善された。さらに、電気伝導度をモル電気伝導度に換算し、その変化率を二酸化炭素のモル分率に対してプロットしたところ、BF4-と(CF3SO2)2N-をアニオンとしたイオン液体では側鎖の違いは観察されずほぼ同一線上に載ることが明らかとなった。PF6-をアニオンとしたイオン液体では、カチオンの側鎖が長くなるにしたがい濃度依存性は僅かながら大きくなる。一方、アニオン種が違う場合には、モル電気伝導度の濃度依存性は顕著に異なり、(CF3SO2)2N-<BF4-<PF6-の順で大きくなることが明らかとなった。これら3種類のアニオンからなるイミダゾリウムイオン液体への二酸化炭素の溶解度(ヘンリー定数の逆数に比例)はBF4-<PF6-<(CF3SO2)2N-で大きくなり、電気伝導度で観察された順番とは異なる。しかしながら、溶解エンタルピーの減少((CF3SO2)2N->BF4->PF6-)とは良く一致した。これらイオン液体中において二酸化炭素とアニオンとの相互作用を考えた場合には、BF4-やPF6-の方が(CF3SO2)2N-より有利であることが推察されるが、実際には(CF3SO2)2N-の溶解度が最も高く、二酸化炭素の溶解ではエントロピーの寄与が大きいことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)