2007 Fiscal Year Annual Research Report
戦前・戦時中の航空機用揮発油の技術開発-海外技術導入と独自技術-
Project/Area Number |
18046008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三輪 宗弘 Kyushu University, 附属図書館付設記録資料館, 教授 (30279129)
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Keywords | 航空機用揮発油 / 戦時経済 / 海軍燃料廠 / 石炭液化 / 太平洋戦争 / 水素添加 / 米国戦略爆撃調査団 / 石油精製 |
Research Abstract |
前年度と同じく、資料収集に時間と労力を費やした。英国国立公文書館ではドイツの石油補給や航空機燃料に関する資料を蒐集した。併せて連合国が対日作戦遂行のために作成した、日本の石油需給や補給に関する資料も撮影した。ドイツのhydrogenationは、石炭液化のことではなくて、日本でいうと低温乾留で得たコールタールを水素添加する意味に近いのではないかという仮説を裏付けることができた。米国の戦略爆撃調査団がFT法と並べてhydrogenationという表現を用いたため、石炭液化のことなのか、水素添加を指すのか、広範な範囲で混乱がみられている。ドイツはコールタールの水添やアルキル化によって航空機ガソリンを製造した。 米国の航空機揮発油製造技術は、刊行物に依拠した。例えばA History of the Petroleum Administration for Warとかスタンダード・ニュージャージの社史History of Standard Oil Company(New Jersey)1927-1950 NEW Horizonsで製法を明らかにし、日本との生産実績の差異を把握した。米国は戦時中に質量ともに飛躍的な伸びを達成した。 米国国立公文書館では、米国戦略爆撃調査団資料(RG243)、GHQ/SCAP文書RG331、対日米海軍技術調査団(RG38)を精力的に閲覧し、石油企業や陸海軍燃料廠の製油量に関するデータを集めた。国立国会図書館憲政資料室所蔵のRG243、RG331、RG38のマイクロフィルムやマイクロフィッシュも利用した。また神戸大学の渋谷隆太郎文書では、海軍がどのような技術的なトラブルを克服する必要に迫られたかを回想録でも跡付けることができた。 米独の技術と比較することで、戦時中に独自で技術開発しなければならなかった航空機用揮発油の開発・生産実績を明らかにした。
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Research Products
(4 results)