2006 Fiscal Year Annual Research Report
適応的行動発現を可能にする自律神経系と意識(覚醒)調節の統合メカニズム
Project/Area Number |
18047006
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小山 純正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 亨 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合科学研究所, 副参事研究員 (20195746)
高橋 和巳 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90325952)
|
Keywords | 大脳基底核 / 黒質網様部 / 脚橋被蓋核 / オレキシン / 覚醒 / 自律神経系 / 大脳辺縁系 / 視床下部 |
Research Abstract |
外部環境に応じた適応的な行動発現の機構を明らかにするためには、生得的な行動発現機構に加え、それを円滑に作動させるための内的状態の調節機構、つまり意識(覚醒)状態の調節機構と自律神経系の調節機構が必要である。本年度は、視床下部-大脳基底核-脳幹を中心とする運動調節機構と、意識(覚醒)状態の調節機構、自律神経系のはたらきを反映する血圧調節機構に関する実験を行った。 1.除脳ネコを用いた実験により、脳幹(脚橋被蓋核:PPN)のアセチルコリンニューロンによって駆動される筋緊張の消失(muscular atonia)は、視床下部に起源を持つオレキシンニューロンの働きによって抑制される。つまり、オレキシンによって筋緊張の維持がなされていることを明らかにした。またオレキシンの作用は、PPNの介在性GABAニューロン、あるいは大脳基底核の黒質網様部(SNr)のGABAニューロンを介していることを示した。 2.無麻酔で頭部のみを拘束しだマウスにおいて、覚醒中枢である後部視床下部のヒスタミンニューロンを同定し、睡眠・覚醒サイクルにおける活動変化を記録した。ヒスタミンニューロンは覚醒時に高い活動を示すが、その活動上昇は覚醒が起こってから始まることから、ヒスタミンニューロンは、覚醒の開始でなく覚醒の維持に関与することを明らかにした。 3.無麻酔で頭部のみを拘束したラットを用いた電気刺激実験と神経活動の記録実験から、レム睡眠中の血圧変動に、脳幹(外背側被蓋核)のアセチルコリンニューロンが関与することを示した。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Diurnal fluctuation of histamine and glutathione levels in the primate CSF2006
Author(s)
Kodama, T., Zeitzer, J.M., Honda, Y., Buckmaster, C.L., Lyons, D.M., Mignot, E.S.Nishino
-
Journal Title
J.Sleep Res. 15
Pages: 239
-