2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚と触覚に関する環境情報の不一致を利用した学習と制御モデルに関する研究
Project/Area Number |
18047009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 康晴 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (10302978)
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Keywords | 視覚運動学習 / 内部モデル / 時間予測 / 総合失調症 / リハビリテーション |
Research Abstract |
今年度は,心理物理実験により,ボールキャッチングタスクにおいて,視覚情報と触覚情報に現実では起こりえない関係をVR環境を用いて構築し,視覚と触覚の情報処理過程を調べた.実験の結果,人は,視覚情報よりも触覚情報を用いて,ボールが手に接触した時間を推定していることがわかった.視覚情報は重力環境と同じ加速度情報を用いたため,力を入れるタイミングだけを学習したことになる.この結果,人は脳から指令が出されて腕に力が生じるまでの時間差が変わったと認識して,その時間差を学習している可能性があることが示唆された. さらに,視覚情報と触覚情報が統合され処理されている場所を特定するために,fMRIでの実験を計画している.今回の結果より,触覚情報が重要な役割を果たしていることがわかったため,fMRIの環境においても触覚情報を精度良く与える必要がある.このため,非磁性体を用いた超音波モータにより,触覚を与えるデバイスの製作を行った.具体的には,超音波モータの回転速度やスティフネスを調整するためのコントローラとモータを駆動するためのドライバを製作した.USB接続により,簡単に操作が可能であるため,fMRIの実験においてもUSBを備えたPCを用いれば,特別な装置なしに実験できる様になった. fMRI装置の中では被験者は,横になって装置の中にはいるため,上から落下してくる物体を受け取るようなタスクは難しいため,今後は,横から飛んでくる物体の到達時間が予測できるかを調べ,fMRIの実験準備を行っていく予定である.
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