2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳の情報コーディングにおける身体性の役割をBMI法で検討する
Project/Area Number |
18047012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻井 芳雄 京都大学, 文学研究科, 教授 (60153962)
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Keywords | 情報コーディング / BMI / ニューロン / 同期発火 / 海馬 / 身体性 / ラット |
Research Abstract |
まずラットが学習する課題について、行動分析学な見地から検討した。ラットの脳がコードする情報の種類に合わせいくつかの課題を考案し、オペラント箱(現有)と課題制御装置(現有)を用いた予備的な訓練を進め、最適な課題のパラメータを設定した。今年度は下記の2課題を設定できた。 (1)単純な刺激弁別課題:2箇所ある反応位置のうち1つだけにLEDを点灯し、その位置へ素早く反応(ノーズポーク)させる課題である。刺激情報のコーディングを対象としている。 (2)異なる刺激の組み合わせを選ばせる条件性弁別課題:あらかじめ決められた音と反応位置の対応(たとえば、高音→右、低音→左など)を学習させ、音を聞いただけで正しい位置にできるだけ素早く反応させる課題である。刺激間の関係性情報のコーディングを対象としている。 これらの課題訓練を進めると同時に、BMIシステムの構築も進め、特にマルチニューロン活動の記録をより向上させる技術開発を行った。具体的には、12本のマイクロワイヤーを束ねた特殊電極であるドデカトロード電極と専用マイクロドライブをさらに改良し、コンパクトで耐ノイズ性の高い新たな前置増幅システムも作製した。さらにインターフェイスの改良にも取り組み、バージョンアップした解析用ソフトウエアを用いることで、より効率的な解析プログラムを作成し、高速で安定したインターフェイスを構築した。 また予備的な結果として、ラットの海馬から記録したマルチニューロン活動をそのインタフェースに接続し、ニューロン活動の変化だけで報酬をもらえるようにすると、個々のニューロン活動と複数ニューロン間の同期発火が大きく変化することもわかった。
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