2006 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟な分布感圧センサを装着したロボット身体の運動による体性感覚情報形成の研究
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18047024
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
市川 純章 諏訪東京理科大学, システム工学部, 助教授 (30307714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 文雄 東京理科大学, 工学部, 教授 (90084376)
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Keywords | 体性感覚 / 皮膚感覚 / 人工皮膚 / 皮膚センサー / 触覚情報 |
Research Abstract |
伸縮性を有する柔軟素材上に感圧センサを多数搭載した人工皮膚を開発し、これを搭載したロボットの運動時における体性感覚情報の形成メカニズムに着目した研究を行った。着目する皮膚感覚は、物体把持の触覚と屈曲運動時の姿勢感覚である。これらの研究は異なる2種類のセンサを搭載した人工皮膚を開発し進めた。屈曲運動は、皮膚に大幅な伸縮性を実現させるため、球状の感圧センサを開発し、これらを柔軟皮膚素材に埋没させ変形時の内部圧力を検知する方法を用いた。球状センサの開発は、直径が3ミリ以下と性能のばらつきを抑える量産手法の開発が課題となっていた。今回、型治具を用いた整形による製造方法を考案し、またセンサ材料にシリコンオイルを追加配合することなどで、直径約2ミリの球状センサを量産化する方法に目処がついた。600個程度の試作を行い、センサ密度を従来よりも2倍程度に高めた人工皮膚の開発に着手する準備が整った。 把握時の触覚実験は、板ばねを用いた接触スイッチ型のセンサを開発し、人の指と寸法比を同じくした指ロボットの表面にそれを搭載し計測実験を行った。物体の特徴として、多角形形状の角数、直径、弾力性に着目し、これらを複合して有する物体の把握実験を行った。取得した接触データから、それぞれの特徴に関して統計的に有意な接触時の局所的な特徴パターンの分析を行った。これらの特徴パターンを特徴次元として物体の識別を行ったところ、5〜6次元で、80〜90%の識別率となることがわかった。また接触時の情報に力の大きさを考慮する実験を行ったところ、力の増加を特徴とする手法よりも、力の大きさ毎に異なる次元の特徴とする手法の方が識別率に20%程度の向上が見られた。更に接触時に変形する指の断面形状に着目した実験では、平面形状と半円形状を比較したところ、平面形状よりも半円形状の方が、力情報の考慮が物体の識別性能によい効果を与えることがわかった。
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