2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場とナノテクノロジーによる神経回路の制御と再構築法の開発
Project/Area Number |
18048003
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nishitaga National Hospital |
Principal Investigator |
小野寺 宏 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nishitaga National Hospital, 臨床研究部, 副院長 (20214207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中平 敦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90172387)
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Keywords | ナノテク / 脳移植 / 神経再生 / ナノワイヤ |
Research Abstract |
神経細胞移植は究極の脳疾患治療法だが,現在の技術では移植ニューロン線維をホスト内で殆ど伸長しえないため効果は期待できない.我々は移植神経細胞の移動や神経線維の伸長を制御することにより神経回路を再構築して脳機能を回復する方法を確立するため以下の研究を行った. 1.神経線維のガイドとなる強磁性ナノ物質と表面加工技術の開発 直径50nmから100μm,長さ1μmから500μmまでの種々のサイズの磁性ワイヤが作成可能になっている.磁性ワイヤの表面加工技術を改良して,非特異的神経接着分子であるポリリジンの安定的結合を電子顕微鏡写真とFTIR法により証明できた.培養神経細胞はポリリジン結合磁性ワイヤに接着可能であり,形態学的に障害は認めなかった.ラット脳に注入しても痙攣発作や死亡例は無く高い安全性が確認された.鉄・白金合金によるより安全性に優れたワイヤの制作にも成功した.シラン結合法により抗体や蛋白の結合に成功したが,蛋白活性の低下(20%)をより少なくするためさらに検討する必要がある. 2.強磁性ナノ物質を神経組織内に配列されるための高磁場制御技術の開発 強磁性物質を神経組織内で配列させるための磁場発生・制御技術の開発を進めた.13テスラから0.5テスラまでの超伝導及び永久磁石を使用して,ラット脳組織内を1センチに渡って磁性ナノ物質を目的部位まで配列する技術を開発した.とくに脊髄移植など神経移植部位が浅く直線的な場合には今回開発した技術の速やかな臨床応用が可能になった.それぞれの疾患(脊髄外傷,脳卒中,パーキンソン病)ごとに前項で開発した磁性ワイヤ種類を最適化することができた. 本研究によって脳内1センチ以上の神経線維伸長のための磁性ワイヤレール敷設が可能になった.今後,本法の神経障害症例への臨床応用に向けた研究が必要である.
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Research Products
(1 results)