2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ電気化学システムによる細胞接着の3次元操作
Project/Area Number |
18048004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20273592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 隆 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00333857)
梶 弘和 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70431525)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
本研究は,電気化学反応によって細胞接着を操作する技術「電気化学バイオリソグラフィー」を3次元構造体への細胞接着の操作へ拡張し,細胞培養担体(スキャホールド)内部への異種細胞から成る反復構造の作製へのチャレンジである。先ず,ガラスとPDMSからなるマイクロ流路デバイスの内部に細胞の共培養系を作製する事に成功した。あらかじめ流路の内壁にマイクロ電極のアレイを作製しておき,流路内部をヘパリン被覆した後にKBr水溶液を充填して電極に1.5Vを印加すると,電極の対面部位のヘパリンが脱着して細胞接着性へと変化し,細胞培養が出来た。隣接するマイクロ電極で同様の操作を違う種類の細胞に対して行なうと,流路内に異種細胞を配列させ,共培養化する事ができた。次に,あらかじめ電極を配置しておく必要が無いシステムの開発を意図して,針電極による細胞接着誘導を検討した。シリコンゴムチューブの内壁をヘパリン修飾し,そこへ針電極を刺して上述の反応を行う事によって,電極を刺した領域のみに細胞接着を誘導できた。さらに共培養化も出来た。この結果は,3次元構造体の内部に共培養系を造り込むという当初の目的を達成した典型的な一例であるとともに,血管内皮細胞の培養によって,血管を模擬したせん断応力と引っ張り応力が負荷できるモデルとなる可能性を有している。これは血流と細胞動態との関連を探るトレース実験を可能とする,これまでに無かった実験系を提供する可能性を有している。
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