2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト個体システムの制御応答研究ツールとしての培養細胞利用型オンチップ人体
Project/Area Number |
18048012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 康行 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00235128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 輝夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30251474)
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Keywords | オンチップ人体 / マイクロ流体デバイス / 分配 / 動態 / 脂肪細胞 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
平成19年度は,以下の検討を行い,成果を得た. 1.デバイスの安定大量作成 前年度までの作成方法ではデバイスの歩留まりが10%以下であったため,本年度は原因を明らかとした.主な不良とその原因は,三次元担体である不織布をデバイスに導入する際に微細な繊維がPDMS間に挟まれ密着性が低下し液漏れが起こったこと,上下のPDMS接着時の圧力が不均一であったため,スターラーの回転に支障を来たしたこと,であり,これらの改善により歩留まりを90%以上に高めることができた. 2.脂肪細胞と肝細胞の同時固定化と毒物動態可視化 前年度の脂肪細胞に加えて,肝細胞の固定化を行った.脂肪コンパートメントと同じく不織布担体を用いることで,肝がん細胞およびラット肝細胞の両者において,生体肝の約1/10の密度での固定化に成功し,脂肪細胞との灌流共培養も良好に行うことができた.また疎水的蛍光物質であるフルオランセンの負荷実験を行い,脂肪細胞の有無によって,肝細胞へのモデル毒物の分配が大きく変化することを再現できた.すなわち,両者が同様の密度および灌流速度で共培養されたとき,脂肪細胞がより多くのフルオランセンを蓄積した.
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