2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18048013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋吉 一成 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00313263)
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Keywords | 膜タンパク質 / 人工細胞 / リポソーム / 無細胞タンパク質合成 / プロテオリポソーム / シャペロン / コネキシン / ホスホリラーゼ |
Research Abstract |
本研究では、細胞膜表面で物質の認識、透過、情報伝達に関わる膜タンパク質を人工胞モデルとしてのリポソーム系に効率よく組み込む新規シャペロン技術を確立し、膜タンパク質研究やバイオテクノロジー・医学への応用を図ることを目的とする。膜タンパク質の分子レベルでの機能解析は、水溶性タンパク質ほど進んではいない。その最大の理由は、正しいフォールディングや単離精製が困難な点にある。本研究では、膜タンパク質をリポソームに再構成する新規な手法(膜タンパク質シャペロン)として、1)リポソーム存在下での無細胞膜タンパク質合成による一段階膜タンパク質再構成法および2)新規酵素応答性界面活性剤を利用する法について検討を行った。 リポソームシャペロン法により細胞間にギャップジャンクション(GJ)を形成するチャネル膜タンパク質であるコネキシン(Cx43)をリポソームに直接組み込むことに成功している。本年度は、コネキシン組み込みリポソームと細胞との相互作用を詳細に検討し、リポソーム内に導入した水溶性生理活性ペプチドの細胞内への直接移行による細胞機能制御が可能であることが明らかになった。さらに、GJのインヒビターによる阻害や同種のコネキシン間のみでの選択的な相互作用が確認され、リポソームと細胞間でのGJ形成による物質輸送の可能性が示唆された。従来にない新規なリポソームデリバリーシステムの開発に成功した。 ホスホリラーゼ酵素による糖鎖伸長反応が可能な新規酵素応答型界面活性剤(ドデシルマルトペンタオース,C12MP)を合成し、膜タンパク質再構成リポソームの新規調製法を開発した。本年度は、C12MPとリン脂質の混合ミセル系のミセルーベシクル転移挙動を詳細に検討した。その結果、ベシクル形成速度や形成されるベシクルのサイズが、リン脂質濃度、酵素濃度により制御しえることを明らかにした。従来にない新規な膜タンパク質再構成リポソーム構築技術を確立した。
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Research Products
(6 results)